生理前の1〜2週間。急にイライラして、家族にあたってしまう。理由もなく、涙が出る。むくんで、胸が張って、体が重い。「生理が来ると、ウソみたいに元に戻る」。そんな波に、毎月ふりまわされていませんか。
妊活中は、この時期がとくにしんどく感じられます。高温期は「もしかして」と期待する時期でもあり、心も揺れやすい。でも、PMSはあなたの性格でも、気合い不足でもありません。体の中で起きている、ちゃんとした反応です。付き合い方のコツを、お話しします。
先に、結論から。
・PMSは黄体期のホルモン変動で起こる体の反応。気合いの問題ではない
・血糖の波・冷え・睡眠・刺激物を整えると、ラクになりやすい
・「波」を記録すると先回りできる。日常に支障が出るほどつらいときは受診を
PMSは、どうして起こるの?
PMSは「月経前症候群」の略。生理の1〜2週間前(黄体期)に出て、生理が始まると軽くなる、心と体の不調のことです。
排卵のあと、黄体ホルモンとエストロゲンが大きく変動します。この波が、脳内のセロトニンという「心を安定させる物質」にも影響すると考えられています。さらに黄体期は、血糖が乱れやすく、自律神経もゆらぎがち。イライラや落ち込みは、この重なりで起こります。
だから、「気持ちの持ちよう」で片付く話ではありません。体の仕組みとして、起きていること。そう知るだけでも、少し自分を責めずにすみます。
こんなサインが出ます
心に出るサイン
- イライラして、怒りっぽくなる
- わけもなく、涙が出る
- 不安、気分の落ち込み
- 集中できない、やる気が出ない
体に出るサイン
- むくみ、体重が増える
- 胸の張り、痛み
- 頭痛、肩こり
- 強い眠気、だるさ、便秘
今日からできる、PMSとの付き合い方
PMSは、黄体期(生理前)の過ごし方で、ずいぶんラクになります。ぜんぶを一度にやらなくて大丈夫。つらい時期に、一つ二つ試すだけでも変わります。
① 血糖の波を、ゆるやかにする
黄体期は、血糖が乱れやすい時期です。急に上がって急に下がると、イライラや強い眠気、甘いもの欲求につながります。
- 朝食を抜かない
- 食事は、たんぱく質や野菜から食べ始める
- 甘いものは、食後に少しだけ
- どか食い・欠食を避け、こまめに食べる
血糖の波が落ち着くと、気分の波も落ち着きやすくなります。
② 体を温めて、血流を良くする
冷えは、むくみや頭痛、肩こりを強めます。血流が良くなると、これらがやわらぎます。
- 湯船に10〜15分つかる
- 首・手首・足首の「三首」を温める
- おなかや腰を冷やさない
- 温かい飲み物を選ぶ
冷え対策はこの記事にまとめています。
③ 睡眠を、いつもより大切にする
黄体期は、眠気が出やすい一方で、眠りが浅くなる方もいます。この時期は、睡眠を優先していい時期です。
- いつもより、少し早めに布団に入る
- 寝る前のスマホ・カフェインを控える
- 朝、カーテンを開けて日の光を浴びる
眠りの整え方はこちらをどうぞ。
④ 刺激物を、少し控える
カフェイン・アルコール・塩分・甘いものは、PMSを強めやすいと言われます。生理前だけでも、少し控えめにしてみてください。
- コーヒーは、1日1〜2杯までを目安に
- お酒は控えめに
- 塩辛いものを摂りすぎない(むくみ対策)
⑤ 軽く、体を動かす
激しい運動でなくて大丈夫です。軽い運動は、血流を良くし、気分を上げるセロトニンを増やすと言われます。
- ウォーキングを20分ほど
- 肩や股関節まわりのストレッチ
- ゆっくり深呼吸をする
⑥ 「波」を記録して、先回りする
いつ、どんな症状が出るかを記録すると、自分の波が見えてきます。「あと数日で来るな」と分かるだけで、心の準備ができます。つらい時期に大事な予定を入れない、無理をしないと決めておくのも、立派な対策です。

生理前、食べたいもの・控えたいもの
黄体期の食べ方の、ざっくりした目安です。神経質にならず、「少し意識する」くらいで大丈夫です。
| 食べたいもの | 控えめにしたいもの |
|---|---|
| たんぱく質(卵・魚・肉・大豆) | 甘いものの、一気食い |
| 野菜・海藻(カリウム・マグネシウム) | カフェインのとりすぎ |
| ナッツ、青魚 | お酒 |
| 温かい汁物・スープ | 塩辛いもの(むくみ対策) |
症状のタイプ別に、意識したいこと
PMSは、出やすい症状によって、重点が少し変わります。自分に多いものを、見てみてください。
むくみ・体重増加が、気になる
塩分と糖分を控えめに、水分はこまめにとりましょう。カリウムを含む野菜や海藻、そして体を温めることが助けになります。
イライラ・怒りっぽさが、強い
まずは血糖の波を、ゆるやかに。甘いものの一気食いを避け、たんぱく質をしっかり。大豆やナッツ、海藻に含まれるマグネシウムも、意識したいところです。
落ち込み・不安が、強い
心を支えるセロトニンを、生活から。朝の光、軽い運動、しっかり眠ること。一人で抱え込まず、つらさを言葉にすることも大切です。
眠気・だるさが、強い
「無理をしない」が正解です。この時期は活動を少し落として、睡眠を優先しましょう。カフェインで無理に押さえ込まず、体を休めてください。
妊活と、PMSの関係
PMSが出る黄体期は、妊活でいう高温期にあたります。この時期の心と体の状態は、黄体ホルモンの働きと、深く関わっています。
PMSがとてもつらい、というときは、黄体期のホルモンバランスや自律神経がゆらいでいるサインのこともあります。PMS対策として体を整えることは、そのまま、心地よく過ごせる高温期づくりにもつながっていきます。黄体機能不全の話も、あわせてどうぞ。

病院で相談しておきたい目安
セルフケアで軽くならない、日常生活に支障が出る、というときは、我慢せず婦人科で相談してください。
- 仕事や家事、人間関係に支障が出るほど、つらい
- 気分の落ち込みが強く、消えてしまいたいと感じる
- 症状が、年々ひどくなっている
とくに、心の症状が強い場合は「PMDD(月経前不快気分障害)」という状態のこともあります。低用量ピルや漢方、心のケアなど、治療でずいぶんラクになる方もいます。つらさを、一人で抱えないでください。
サクラダ治療室でできること
サクラダ治療室では、冷え・自律神経・血流といった「PMSの土台」を、鍼灸で整えるお手伝いをしています。生理前のつらさは、我慢するものではありません。婦人科の治療と併用しながら、毎月の波を、少しずつやわらげていきましょう。
サクラダ治療室は、東京都北区の東十条院(JR東十条駅 徒歩2分)と、埼玉県さいたま市の大宮院(大宮駅 徒歩5分)。どちらも、婦人科の治療と併用しながら通われる方が多くいます。
よくある質問
Q. PMSがひどいのですが、病院に行くべき?
A. 日常生活に支障が出るほどつらいなら、行く価値は十分あります。低用量ピルや漢方など、体に合う方法が見つかることもあります。「これくらいで」と我慢せず、相談してみてください。
Q. PMSと妊娠初期症状は、見分けられますか?
A. 正直に言うと、似ていて見分けは難しいです。胸の張り、だるさ、眠気などは、どちらでも起こります。生理予定日を過ぎても来ないときは、検査薬で確かめるのが確実です。
Q. PMDDという言葉を聞きました。
A. PMDDは、PMSの中でも、とくに心の症状が強いものです。強い落ち込みやイライラで生活がつらいなら、婦人科や心療内科で相談を。適切な治療で、軽くなる方が多くいます。
まとめ
- PMSは、黄体期のホルモン変動で起こる体の反応。気合いの問題ではない
- 血糖の波・冷え・睡眠・刺激物を整えると、ラクになりやすい
- 「波」を記録すると、先回りして備えられる
- 日常に支障が出るほどつらいときは、我慢せず受診を



















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