流産のあとの妊活|原因の8割は赤ちゃん側・2回目から調べられること・体が戻るまでを解説

流産のあとの妊活|私が何かしたからではありません

こんにちは🌸サクラダ治療室の前田です。

流産のあと、頭の中がこの質問でいっぱいになる方がとても多いです。「私が何かしたからですか」「次も同じことになりますか」「いつから妊活を再開していいんですか」。そして、誰にも聞けないまま検索している。当院に来られる方からも、本当によく聞きます。

この記事では、日本産科婦人科学会と、厚生労働省の研究班(不育症研究)が公表している内容をもとに、いま分かっていることを順番に並べました。読み終えたときに、少しでも肩の力が抜けていたらと思って書いています。

先に結論から

・妊娠の約15%は自然流産に終わります。珍しいことではありません
・妊娠12週未満の流産で最も多い原因は赤ちゃん側の染色体異常で、流産した組織を調べると約80%に異常が見つかっています。そしてほとんどが偶然のできごとです
・流産・死産が2回あれば、「不育症」として原因を調べることが推奨されています
・ただし検査をしても65.3%の方は原因が見つかりません。これは悪い知らせではありません
・原因が見つからなかった方は、何も治療をしなくても次回の妊娠で成功する確率が高いことが分かっています

流産は、どれくらい起きているのか

日本産科婦人科学会は、妊娠の約15%が自然流産に終わると公表しています。

6〜7人に1人です。これは「起こりうること」の範囲にあります。ただ、妊娠している人がみんな公表するわけではないので、まわりに同じ経験をした人がいないように見えるだけなんですね。実際には、すぐ隣にいます。

年齢との関係もはっきりしています。40歳を過ぎると、妊娠しても40%以上が流産するとされています。これは体が弱いからではなくて、次に書く「染色体異常の起きやすさ」が年齢とともに上がるためです。

出典:日本産科婦人科学会「流産・切迫流産」

原因の約8割は、赤ちゃん側のことです

ここがいちばんお伝えしたいところです。

妊娠12週未満の流産(早期流産)で最も多い原因は、赤ちゃんの異常です。流産した組織の染色体を調べた報告では、約80%に異常が見つかっています。

そして学会は、こう書いています。「赤ちゃんの染色体異常は、ほとんどが偶然のできごとです」。

受精卵が細胞分裂をくり返していく過程で、染色体の分かれ方がたまたまうまくいかないことがあります。それは、どちらかの体に問題があって起きることではありません。誰にでも、どの周期にでも起こりえます。

「あのとき、あれをしたから」ではありません

流産のあと、ほとんどの方が自分の行動を遡ります。あの日残業したから。重い荷物を持ったから。コーヒーを飲んだから。気を抜いたから。喧嘩したから。

そうやって探した「心当たり」は、原因ではありません。

上に書いたとおり、早期流産の8割は赤ちゃん側の染色体の問題で、それはすでに受精の段階で決まっていることです。妊娠が分かったあとの行動で変えられるものではありません。

自分を責める材料を探すのは、何が起きたのか分からないままでいるのが苦しいからだと思います。でも、その材料は見つからなくていいものです。

「化学流産」は、回数に入りません

妊娠検査薬は陽性だったのに、超音波で袋(胎嚢)が確認される前に生理のような出血が来る。これを生化学的妊娠、いわゆる化学流産と呼びます。学会の説明はこうです。

尿や血液の検査で妊娠反応が陽性になったものの、超音波検査で着床の部位(胎嚢)を確認する前に、月経様の出血が起こり、流産してしまった状態です。

そして、ここが大事なところです。日本では、生化学的妊娠を妊娠や流産の回数に含めていません。

検査薬が早期に反応するようになったことで、以前なら「少し遅れた生理」として過ぎていたものが見えるようになりました。気持ちのうえでは十分つらい出来事ですが、不育症の検査を考えるときの「2回」には入らないということは知っておいてください。

流産には、呼び名がいくつかあります

病院で言われた言葉の意味が分からないまま帰ってきた、という方が多いので並べておきます。すべて学会の説明のとおりです。

稽留流産出血や腹痛がないまま、子宮内で赤ちゃんが亡くなっている状態
進行流産子宮の出口が開き、出血も増えるなど、流産が進み始めている状態
完全流産流産した組織が、すべて自然に排出された状態
不全流産組織が排出しかけているが一部が子宮に残り、出血や腹痛が続いている状態
切迫流産妊娠22週未満で、赤ちゃんは生存しているが、出血や腹痛など流産が進みそうな徴候がある状態

切迫流産は、流産ではありません。名前が怖いのですが、赤ちゃんは子宮の中で生きています。ここを誤解して落ち込んでしまう方がとても多いところです。

2回目から「不育症」として調べられます

厚生労働省の研究班は、不育症をこう定義しています。

妊娠はするけれども、2回以上の流産、死産を繰り返して結果的に子供を持てない場合、不育症と呼びます。

そして、日本・アメリカ・ヨーロッパのいずれでも、2回以上の流産・死産があれば不育症と診断し、原因を探索することが推奨されています。

昔は「3回から」と言われていた時期がありました。いまは2回です。もし2回目を経験されているなら、次を待たずに相談していい段階にいます。

調べられるのは主にこのあたりです。かっこ内は、研究班が集計した日本のデータでの頻度です。

  • 子宮の形(子宮形態異常)… 7.8%
  • 甲状腺の機能(亢進症・低下症)… 6.8%
  • 抗リン脂質抗体 … 10.2%
  • ご夫婦どちらかの染色体 … 4.6%
  • 血液の固まりやすさに関わる因子

出典:厚生労働省研究班「不育症研究」(不育症とは/不育症のリスク因子)

検査をしても、65.3%は原因が見つかりません

ここで驚かれる方が多いのですが、検査をしても明らかな異常が分からない方が65.3%います。この割合は欧米でもほぼ同じです。

「原因が分からなかった」と言われると、見放されたように感じてしまいます。でも研究班の説明を読むと、受け取り方が変わります。

研究班は、この「リスク因子不明」という言葉は、正しくは「偶発的」と言ったほうがいいかもしれない、と書いています。つまりたまたま続いたということです。

計算も示されています。流産の原因でいちばん多いのが赤ちゃんの染色体異常(約60〜80%)なので、3回流産した方のうち、たまたま3回続いた確率は 0.8×0.8×0.8=51%。原因不明とされた方の中の、半分がこれにあたります。

そして、いちばん大事なことが書かれています。

原因が判らなかった原因不明(偶発的な流産をくり返したと思われる方)の方は何も治療をしなくても、次回の妊娠で成功する確率は高いです。

原因が見つからないことは、悪い知らせではありません。

回数が重なっても、道は閉じません

研究班のデータでは、過去に5回までの流産であれば、治療成績はおおむね良好とされています。

また、ご夫婦のどちらかに染色体の構造の違いがある場合、「子どもを持てない」と思われがちですが、研究班ははっきり否定しています。流産の回数は一般のカップルより多くなるものの、最終的に子どもを持てる確率は一般の方と変わらないということが分かっています。

体は、どう戻っていくのか

子宮が元の状態に戻ると、生理が来ます。生理が来たということは、次の周期が動き出したということです。基礎体温をつけている方は、二相に戻るかどうかを見ていくと、体の回復が目に見えます。

次の妊活をいつから始めるかは、手術をしたかどうかや、その後の経過によって変わります。ここは自己判断ではなく、通っている病院で確認してください。体が戻るタイミングと、気持ちが戻るタイミングは別なので、両方そろってからで大丈夫です。

「話せる場所があること」が、次の結果に関わっています

これは私がいちばんお伝えしたいことで、しかも研究班のデータに書かれていることです。

流産回数が2回の方は、カウンセリングを受けた方が、流産リスクがあってもなくても、次回の妊娠成功率が高いことも判っています。

研究班はこれをテンダーラビングケアと呼んで、流産に対する不安を取ることが重要だと書いています。妊娠したあとも、安定期に入る10〜12週までは頻繁に健診を受けて、家族が話し相手になることをすすめています。

不安をひとりで抱えたまま次の周期に入るのと、話せる相手がいる状態で入るのとで、結果に差が出る。これは精神論ではなく、研究班が示しているデータです。

だから、誰かに話してください。パートナーでも、親しい友人でも、病院の先生でも、私たちのような治療院でも、どこでもいいです。ひとりで抱えなくていいところです。

まとめ🌸

  • 妊娠の約15%が自然流産。6〜7人に1人です
  • 早期流産の原因の約80%は赤ちゃん側の染色体異常で、ほとんどが偶然
  • 思い当たる「あのとき」は、原因ではありません
  • 化学流産は、流産の回数に含めません。「切迫流産」は流産ではなく、赤ちゃんは生きています
  • 2回あれば、不育症として調べることが推奨されています
  • 検査で原因が見つからない方が65.3%。そしてその方々は治療なしでも次の妊娠で成功する確率が高い
  • 5回までの流産なら治療成績はおおむね良好。夫婦の染色体に違いがあっても、最終的に子どもを持てる確率は変わりません
  • 不安を減らすことが、次の妊娠の成功率に関わっていると研究班が示しています

いま読むのがつらい時期だと思います。それでも、ここに書いたことが「自分のせいではなかった」と思える材料になればうれしいです。体のことは、落ち着いてからでかまいません🌸

この記事の出典

  • 日本産科婦人科学会「流産・切迫流産」
  • 厚生労働省研究班「不育症研究」(不育症とは/不育症のリスク因子/流産回数との関係/治療成績)

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聞ける場所を作りました

診察室で数字を渡されて、それが何を意味するのか分からないまま帰ってくる。家で検索して、よけい不安になる。それを何周期も繰り返している方が、本当に多いです。妊活って人に言いづらいので、よけいにひとりで抱えてしまうんですよね。

私も同じでした。妻と不妊治療をしていたとき、分からないことを聞ける場所が、どこにもなかったんです。
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次回の日程と内容はこちらのページにまとめています。

私たちも、通う側にいました

代表の前田は、妻と一緒に不妊治療を受けてきました。タイミング法から人工授精まで進んで、検査で自分の側にも原因が見つかったときのことも、判定を待つあいだの落ち着かない時間も、通う側として知っています。なので、寄り添って、二人三脚で進んでいきたいと思っています。

婦人科で進めている治療はそのまま続けていただいて、体のほうを整えるお手伝いをしています。主治医の方針を変えることはしません。まだ迷っている段階でも、話を聞くだけでかまいません。

サクラダ治療室は、東京都北区の東十条院(JR東十条駅から徒歩4分)と、埼玉県さいたま市の大宮院(大宮駅から徒歩5分)の2院です。どちらも院長は女性で、スタッフも全員女性です。通いやすいほうをお選びください。

サクラダ治療室 東十条院のスタッフ|東京都北区・JR東十条駅から徒歩4分・院長もスタッフも女性の妊活鍼灸院
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✍ この記事を書いた人
前田 徹弥
前田 徹弥(まえだ てつや)
サクラダライフデザイン株式会社/サクラダ治療室 代表・鍼灸師 | 臨床歴17年

鍼灸の道に入り、10年の下積みを経て独立。妊活・不妊鍼灸を専門に学び、臨床歴は17年。実は私自身も、妻とともに不妊治療を経験しました。「本当に妊娠できるのか」と、何度も不安になりました。その経験があるから、あなたの不安に寄り添えると思っています。一人で抱え込まず、二人三脚で。あなたに合った方法を一緒に見つけ、ゴールまで伴走します。

東京・北区の東十条院と、埼玉・さいたま市の大宮院でお待ちしています。

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