妊活中は水分をとったほうがいいと聞くけれど、どのくらい飲めばいいのか分からない。冷たい飲み物はよくないとも言われる。むくむから控えている、という方もいます。
水分は、血液の材料そのものです。血が足りなければ、子宮にも卵巣にも、酸素と栄養は届きません。どれだけ栄養を整えても、運ぶ手段が細っていれば届きません。
どのくらい、何を、どう飲むか。むくみとの関係、採卵後の注意まで順に整理します。持病がある方、水分量の指示を受けている方は主治医の指示を優先してください。
どのくらい飲めばいいか
成人が1日に必要とする水分は、およそ2.5リットルとされています。ただしこの全部を飲み物でとるわけではありません。
| 入ってくる経路 | 目安 |
|---|---|
| 飲み物から | 約1.2リットル |
| 食事から | 約1.0リットル |
| 体の中で作られるぶん | 約0.3リットル |
飲み物としては1.2リットル前後が目安です。コップ1杯を200mlとすると、6杯ほど。3リットル飲もうとする必要はありません。
汗をかいた日、運動した日、乾燥した部屋にいた日は、そのぶん増やしてください。
足りているかを確かめる方法
数えるのが面倒なら、体のほうで確認できます。
- 尿の色:薄い黄色なら足りています。濃い黄色やオレンジに近いときは不足のサイン
- トイレの回数:日中に4〜7回ほどが目安
- 唇や口の中の乾き:のどが渇いたと感じた時点で、すでに少し足りていません
尿の色がいちばん分かりやすい指標です。朝いちばんは濃くて当然なので、日中の色で見てください。
何を飲むか
| 飲み物 | 扱い |
|---|---|
| 水、白湯 | 基本。いちばん確実 |
| 麦茶、ルイボスティー、そば茶 | カフェインを含まない。常備しておくと楽 |
| ほうじ茶 | カフェインは少なめ。香ばしくて飲みやすい |
| コーヒー、紅茶、緑茶 | 水分としては数えられるが、量と時間帯に注意 |
| 加糖の飲み物 | 水分補給としては数えない |
| お酒 | 飲んだぶん以上に出ていきます。水分にならない |
カフェインを含むものも水分としては入りますが、利尿の作用があるぶん、出ていく量も増えます。1日の水分をコーヒーだけでまかなうのは、成り立ちません。
量と時間帯については、カフェインの記事にまとめています。
冷たい飲み物について
冷たいものを飲むと体が冷える、とよく言われます。ここは正確に整理しておきます。
氷入りの飲み物を一気に飲めば、体は下がった温度を戻すためにエネルギーを使います。1杯でどうこうという話ではありませんが、それが1日に何杯も、毎日続くなら別です。
現実的な線引きとして、次のように考えてください。
- 夏に冷たいものを飲んではいけない、ということはありません
- 常温に置き換えられる場面は置き換える:家で飲むぶん、職場に置いておくぶん
- 朝いちばんの1杯は白湯に:体が動き出す時間に、冷たいものを入れない
- 氷を入れる習慣をやめるだけでも変わります
冷えが気になる方は、妊活中の冷えの記事もどうぞ。締め付けずに温める方法をまとめています。
「むくむから控える」は逆になりやすい
よくある誤解です。水分を控えると、体はむしろ溜め込もうとします。
足りない状態が続くと、体は出ていく量を減らして守ろうとします。結果として、水分が滞りやすくなります。
むくみの背景にあることが多いのは、水分そのものより次の要素です。
- 塩分のとりすぎ:外食や加工食品が続いていないか
- 同じ姿勢が続いている:デスクワーク、立ち仕事
- 筋肉のポンプが働いていない:ふくらはぎを動かす機会が少ない
- たんぱく質の不足:血管の中に水分を保つ力に関わります
水分を減らすより、塩分を見直して、足を動かすほうが早いことが多いです。むくみが急に強くなった、片足だけ腫れているといった場合は、自己判断せず受診してください。
飲み方のコツ
まとめて飲んでも、体は使いきれません。一度に吸収できる量には限りがあります。
- コップ1杯を、こまめに:1〜2時間おきが目安
- 起きてすぐ1杯:寝ているあいだに出ていったぶんを戻します
- 食事のときに1杯:食後すぐに濃いお茶を大量に飲むのは避けてください
- 入浴の前後に1杯ずつ:湯船に浸かるとかなり出ていきます
- 寝る前は少なめに:夜中に目が覚める原因になります
手元にボトルを置いておくと、意識しなくても回数が増えます。飲む量を増やすより、飲む回数を増やすほうが簡単です。
採卵のあとは、いつもと扱いが違います
ここだけは注意してください。採卵のあとは、水分を意識してしっかりとるよう指示されることがあります。卵巣過剰刺激症候群(OHSS)への備えとしてです。
このときの水分は、通常の「こまめに」とは意味合いが違います。クリニックから量の指示が出ているなら、それに従ってください。
採卵後の体の変化と、連絡すべきサインについては、採卵後の過ごし方にまとめています。体重が急に増えた、尿の量が減った、息が苦しい。この3つは急ぐサインです。
よくある質問
Q. 水を飲めば妊娠しやすくなりますか?
A. そう言い切れるものではありません。栄養や酸素を運ぶ土台として必要、という受け取り方をしてください。
Q. 白湯は何度くらいがいいですか?
A. 飲んで熱すぎない程度で十分です。50度前後を目安に。温度より、続けられることのほうが大切です。
Q. 硬水と軟水では違いますか?
A. 硬水にはマグネシウムが多く含まれます。おなかがゆるくなる方もいるので、体に合うほうを選んでください。
Q. 食事中に水を飲むと消化に悪いですか?
A. 極端に大量でなければ問題ありません。食べ物を流し込むほど飲むのは避けてください。
Q. トイレが近くなるのが困ります。
A. 飲み始めのうちは回数が増えますが、体が慣れると落ち着いてきます。仕事中が困るなら、朝と帰宅後に多めに回してください。
Q. 夫も気をつけたほうがいいですか?
A. 血液の巡りは男性側にも関わります。お酒を飲む日は、同じ量の水を一緒にとるだけでも違います。
まとめ
- 飲み物としての目安は1日1.2リットル前後。コップ6杯ほど
- 足りているかは、日中の尿の色で確かめられる
- お酒は水分にならない。カフェインを含むものは出ていく量も増える
- 冷たいものを禁止する必要はない。氷を入れる習慣を外すだけでも変わる
- むくむから控えるのは逆。塩分と、足を動かすことを先に見直す
- 量を増やすより、回数を増やす。手元にボトルを置く
- 採卵後は扱いが変わる。クリニックの指示を優先する
この記事の数値は、厚生労働省「健康のため水を飲もう」推進運動の公表内容によります。2026年9月時点で確認した内容です。
読んでもまだ不安が残るときは
ここまで読んでも、不安が消えないことはあると思います。妊活の悩みは、正しい情報を知れば片づくものばかりではないからです。
サクラダ治療室は、婦人科で進めている治療を軸に置いたまま、それを受けとめる体づくりのお手伝いをしています。主治医の治療を止めるような提案はしませんし、無理におすすめすることもありません。まだ迷っている段階でも、話を聞くだけでかまいません。
私たちも、通う側にいました
代表の前田は、妻とともに不妊治療を経験しています。タイミング法から人工授精へ進み、検査で自分の側にも要因があるとわかったときの戸惑いも、判定を待つあいだのそわそわも、通った側として知っています。だから、前を歩いて引っぱるのではなく、となりで一緒に進みたいと思っています。
サクラダ治療室は、東京都北区の東十条院(JR東十条駅 徒歩4分)と、埼玉県さいたま市の大宮院(大宮駅 徒歩5分)。どちらの院も院長は女性で、妊活・不妊の鍼灸を受けていただけます。通いやすいほうをお選びください。婦人科の治療と併用しながら通われる方がほとんどです。
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