不育症の検査では何を調べる?6つの項目・費用の目安・東京都とさいたま市の助成を解説

不育症の検査は何を調べるの?6つの項目と、東京都・さいたま市の助成

こんにちは🌸サクラダ治療室の前田です。

「2回流産しています。検査を受けたほうがいいんでしょうか」。これは本当によく聞かれます。そして、そのあとに必ず続くのが「でも、何を調べるのか分からなくて」「高いんじゃないですか」という2つです。

この記事では、厚生労働省の研究班が示している検査項目と、東京都・さいたま市の助成制度を、2026年10月時点の公表内容で整理しました。調べる前に全体像が見えていれば、受診のハードルはだいぶ下がると思います。

先に結論から

・流産・死産が2回あれば、不育症として検査が推奨されます。日本・アメリカ・ヨーロッパで共通です
・調べるのは大きく6項目。子宮の形、ホルモン、染色体、抗リン脂質抗体、血液の固まりやすさ、流産した組織
・東京都は上限5万円、さいたま市は35歳未満3万円・35歳以上2万円の助成があります
・どちらも夫婦1組につき1回、妻が43歳未満が条件です
・申請期限があります。東京都は検査終了から6か月以内、さいたま市は原則60日以内です

まず、2回からです

厚生労働省の研究班は、不育症をこう定義しています。

妊娠はするけれども、2回以上の流産、死産を繰り返して結果的に子供を持てない場合、不育症と呼びます。

そして、日本・アメリカ・ヨーロッパのいずれでも、2回以上あれば不育症と診断し、原因を探索することが推奨されています。

以前は「3回から」とされていた時期がありました。いまは2回です。2回目を経験されている方は、次を待たずに相談できる段階にいます。

なお、妊娠検査薬は陽性だったけれど胎嚢が確認される前に出血があった、いわゆる化学流産は回数に含めません(日本産科婦人科学会)。ここは混同しやすいところです。

何を調べるのか:6つの項目

研究班が挙げているリスク因子と、日本のデータでの頻度です。

調べるもの何を見ているか頻度
子宮形態検査子宮の形。中隔子宮など7.8%
内分泌検査甲状腺の機能(亢進症・低下症)など6.8%
夫婦染色体検査ご夫婦どちらかの染色体の構造4.6%
抗リン脂質抗体血液を固まりやすくする自己抗体10.2%
血栓性素因スクリーニング第XII因子、プロテインSなど凝固に関わる因子—
絨毛染色体検査流産した組織そのものの染色体—

病院によって順番や組み合わせは変わりますが、東京都の助成が対象としているのもこの6つです。つまり、ここが標準的な範囲だと考えて差し支えありません。

子宮の形

中隔子宮という、子宮の中に壁があるタイプでは流産しやすいことが分かっています。研究班は、手術をしたほうがいいという確定的なエビデンスはまだないとしつつ、研究者の多くが手術後に生児獲得率の上昇を経験し、論文で報告していると書いています。

甲状腺

機能が高すぎても低すぎても関わります。ここは内科的な治療を受けたあとは、良好な生児獲得率が得られるとされています。まず甲状腺の機能を正常化させてから妊娠に臨んでください、と研究班は明記しています。見つかれば手が打てる項目です。

夫婦の染色体

ここで誤解が多いところなので、研究班の言葉をそのまま引きます。

染色体構造異常があると流産を繰り返し、子供を持てないと思われがちですが、それは間違いです。流産回数は一般のカップルより多いですが、最終的には流産せずに子供を持てる確率は一般の方と変わりません。

抗リン脂質抗体・凝固因子

血液が固まりやすくなることで、胎盤への血流が保てなくなるタイプです。研究班は、アスピリン療法やヘパリン療法で治療成績は良好であり、正しい診断と治療が必要だとしています。ここも見つかれば手が打てる項目です。

出典:厚生労働省研究班「不育症研究」(不育症とは/不育症のリスク因子/治療成績)

検査をしても、65.3%は原因が見つかりません

これは先に知っておいてください。検査をしても明らかな異常が分からない方が65.3%います。この割合は欧米でもほぼ同じです。

「せっかく受けたのに」と感じるところですが、研究班の説明を読むと受け取り方が変わります。研究班は、この「リスク因子不明」という言い方は、正しくは「偶発的」としたほうがいいかもしれない、と書いています。つまりたまたま続いたということです。

そして、こう続きます。

原因が判らなかった原因不明(偶発的な流産をくり返したと思われる方)の方は何も治療をしなくても、次回の妊娠で成功する確率は高いです。

原因が見つからないことは、悪い知らせではありません。むしろ「治療が必要な状態ではなかった」と分かることに意味があります。

費用と、助成のこと

検査費用は項目の組み合わせや病院によって変わります。そのうえで、住んでいる自治体の助成を使えば負担は大きく下がります。

東京都(北区にお住まいの方など)

上限額5万円
回数夫婦1組につき1回
年齢検査開始日における妻の年齢が43歳未満
住所検査開始日から申請日まで継続して都内に住民登録
婚姻検査開始日において夫婦(事実婚を含む)
申請期限検査終了日から6か月以内

対象は、子宮形態検査・内分泌検査・夫婦染色体検査・抗リン脂質抗体・血栓性素因スクリーニング・絨毛染色体検査・先進医療として告示された不育症検査です。

先進医療として告示された検査は条件が別になっていて、年齢制限なし・回数制限なし・検査費用の7割を6万円までとなっています。

さいたま市

上限額35歳未満 3万円 / 35歳以上 2万円
回数ご夫婦につき1回
年齢検査開始時の妻の年齢が43歳未満
住所申請時にご夫婦の一方または双方がさいたま市に住民登録
対象2回以上の流産・死産の既往がある方、または医師が不育症と判断した方
申請期限原則、検査を終了した日が属する年度内・原則60日以内

対象は「医師が必要と認める不育症のリスク因子の一連の検査」です。先進医療として告示された検査は、検査費用の7割・上限6万円で別に助成があります。

2026年10月時点の公表内容です。制度は年度で変わるので、申請の前に必ずお住まいの自治体のページで最新を確認してください。東京都は福祉局、さいたま市は母子保健課が窓口です。

受けるタイミング

申請期限があるので、検査が終わったら早めに動いてください。さいたま市は原則60日以内と短めです。領収書と診断書が必要になるので、受診のときに「助成の申請を考えています」と伝えておくと、書類の準備がスムーズです。

検査そのものは、次の妊娠を待たずに受けられます。むしろ先に調べておくほうが、次の周期を落ち着いて迎えられます。

検査と同じくらい大事なこと

研究班のデータに、こう書かれています。

流産回数が2回の方は、カウンセリングを受けた方が、流産リスクがあってもなくても、次回の妊娠成功率が高いことも判っています。

検査で原因が見つかっても見つからなくても、不安を抱えたまま次に進まないことが結果に関わっている、ということです。研究班はこれをテンダーラビングケアと呼んで、重要だとしています。

検査は「調べて終わり」ではありません。結果をどう受け止めるかまでが一続きです。ひとりで抱えないでください。

流産そのものについては流産のあとの妊活に、原因や体の戻り方をまとめています。

まとめ🌸

  • 2回から検査が推奨されます。化学流産は回数に含めません
  • 調べるのは6項目。子宮の形、甲状腺、夫婦の染色体、抗リン脂質抗体、凝固因子、流産組織の染色体
  • 甲状腺と抗リン脂質抗体・凝固因子は、見つかれば手が打てる項目です
  • 夫婦の染色体に違いがあっても、最終的に子どもを持てる確率は一般の方と変わりません
  • 65.3%は原因が見つかりません。そしてその方々は治療なしでも次回の成功率が高いです
  • 助成は東京都5万円、さいたま市3万円/2万円。どちらも妻43歳未満・夫婦1組1回
  • 申請期限に注意。東京都6か月以内、さいたま市は原則60日以内

この記事の出典

  • 厚生労働省研究班「不育症研究」(不育症とは/不育症のリスク因子/治療成績)
  • 日本産科婦人科学会「流産・切迫流産」
  • 東京都福祉局「不育症検査助成事業の概要」
  • さいたま市「さいたま市不育症検査費助成事業のお知らせ」

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聞ける場所を作りました

診察室で数字を渡されて、それが何を意味するのか分からないまま帰ってくる。家で検索して、よけい不安になる。それを何周期も繰り返している方が、本当に多いです。妊活って人に言いづらいので、よけいにひとりで抱えてしまうんですよね。

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私たちも、通う側にいました

代表の前田は、妻と一緒に不妊治療を受けてきました。タイミング法から人工授精まで進んで、検査で自分の側にも原因が見つかったときのことも、判定を待つあいだの落ち着かない時間も、通う側として知っています。なので、寄り添って、二人三脚で進んでいきたいと思っています。

婦人科で進めている治療はそのまま続けていただいて、体のほうを整えるお手伝いをしています。主治医の方針を変えることはしません。まだ迷っている段階でも、話を聞くだけでかまいません。

サクラダ治療室は、東京都北区の東十条院(JR東十条駅から徒歩4分)と、埼玉県さいたま市の大宮院(大宮駅から徒歩5分)の2院です。どちらも院長は女性で、スタッフも全員女性です。通いやすいほうをお選びください。

サクラダ治療室 東十条院のスタッフ|東京都北区・JR東十条駅から徒歩4分・院長もスタッフも女性の妊活鍼灸院
東京都・東十条院
サクラダ治療室 大宮院のスタッフ|埼玉県さいたま市大宮区・大宮駅から徒歩5分・院長もスタッフも女性の妊活鍼灸院
埼玉県・大宮院

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予約するかどうか決めきれない、他の院とも比べている、そういう段階でかまいません。お名前もメールアドレスも要りません。聞いてみたいことがあれば、一言だけでもどうぞ。

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✍ この記事を書いた人
前田 徹弥
前田 徹弥(まえだ てつや)
サクラダライフデザイン株式会社/サクラダ治療室 代表・鍼灸師 | 臨床歴17年

鍼灸の道に入り、10年の下積みを経て独立。妊活・不妊鍼灸を専門に学び、臨床歴は17年。実は私自身も、妻とともに不妊治療を経験しました。「本当に妊娠できるのか」と、何度も不安になりました。その経験があるから、あなたの不安に寄り添えると思っています。一人で抱え込まず、二人三脚で。あなたに合った方法を一緒に見つけ、ゴールまで伴走します。

東京・北区の東十条院と、埼玉・さいたま市の大宮院でお待ちしています。

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