こんにちは、サクラダ治療室の前田です🌸
妊活を始めてから、体重のことを言われるようになった。少し落としましょう、あるいは、もう少し増やしましょう。理由の説明はないまま、数字だけを渡される。この話、切り出しにくいですよね。
・脂肪は女性ホルモンを作る場所。多すぎても少なすぎても周期は乱れる
・体は飢えていると判断すると、まず排卵を止める
・やせ型は、体重より「使う量に対して足りているか」
・肥満型の背景はインスリン。大幅な減量は前提にしなくてよい
正直、納得がいかないと思います。
体重って、見た目の話だと思われがちなんですけど、ホルモンの出方に直接関わってくるんですよね。脂肪そのものがホルモンを作る場所であり、同時に、体が「今は子どもを持てる状況か」を判断する材料にもなっている。多すぎても少なすぎても、排卵は止まる方向に動きます。
なぜ関係するのか、どこを目安にするのか、そして落とし方と増やし方の注意点を整理します。
体重とホルモン|脂肪は、ただの貯蔵庫ではない
脂肪組織には、女性ホルモンを作る働きがあります。
男性ホルモンを女性ホルモンに変える酵素がそこにあり、体じゅうの脂肪がその変換を担っています。だから脂肪が極端に少ないと材料が回らず、逆に多すぎるとバランスが崩れる。どちらも、周期を乱す方向に働きます。
もうひとつ、体はエネルギーの出入りを常に見ています。
入ってくる量が足りていないと判断すると、生命の維持に関係の薄い機能から止めていきます。妊娠と出産は、体にとって最もエネルギーを使う出来事です。飢えていると判断された体は、まず排卵を止めます。これは異常ではなく、そういう仕組みになっています。
やせている場合|体重より、足りていないかどうか
BMIが18.5を下回るあたりから、周期が乱れる方が増えてきます。
ただ、数字そのものより重要なのは、使っている量に対して食べている量が足りているかどうかです。同じ体重でも、運動量の多い方は不足に傾きます。
こういう組み合わせの方は、いちばん止まりやすいです。
- ジムやランニングを続けながら、糖質を控えている
- 朝食を抜いている、あるいはコーヒーだけ
- 体重は変わっていないが、この半年で運動量が増えた
- 生理が来なくなった、または周期が長くなってきた
妊活のために体を鍛えているつもりが、逆方向に働いていることがあります。悪いことをしているわけではなく、体からすると「余力がない」という信号になってしまう、というだけの話です。
増やすときの考え方|量より、質と回数
単に食べる量を増やすより、足りていないものを埋めるほうが先です。
たんぱく質が慢性的に少ない方、鉄が不足している方が多く、そこは健診の数値からも見当がつきます。1日3食が難しければ、間に足す形でもかまいません。運動は減らさなくてよいので、そのぶん食べる量を合わせてください。
体重が多い場合|効いているのはインスリン
BMIが25を超えるあたりから、排卵が乱れる方が増えます。
背景にあるのは、多くの場合インスリンの効きの悪さです。血糖を下げるホルモンが効きにくくなると、体は量で補おうとする。血中にインスリンが多い状態が続くと、卵巣が男性ホルモンを作る方向に傾き、卵が育ちきらない環境ができます。
多嚢胞性卵巣症候群と重なっていることもあります。この場合、体重だけを追いかけても動きにくいので、血糖のほうから手をつけることになります。健診で血糖が高めと言われた記憶がある方は、その紙を持って受診してみてください。
大幅に落とす必要はありません。現体重の数パーセントという単位で、排卵が戻る方がいます。10キロ落とさないと始まらない、という話ではありません。
落とすときの注意|急いで落とすと、やせと同じ状態になる
いちばん避けたいのは、短期間で一気に落とすことです。
急激な減量は、体にとっては飢餓と同じ信号になります。体重が適正になっても、そのあいだに周期が止まってしまえば本末転倒です。極端な糖質制限も同じで、排卵に必要なエネルギーまで削ってしまいます。
月に1〜2キロ程度を上限として考えてください。
遅いと感じるかもしれませんが、このくらいの速さのほうが体は驚かずに済みます。半年で6キロなら、それで十分です。
効かせどころは、量を減らすことより血糖の波を小さくすることです。食べる順番を変える、朝を抜かない、食後に10分歩く。このあたりから始めるほうが、続きますし体も壊しません。
男性側の体重|こちらも精子に関わる
見落とされがちですが、男性の肥満も精子の状態に関わってきます。
脂肪が多いと男性ホルモンが女性ホルモンに変換される量が増え、バランスが変わります。お腹まわりの脂肪は、精巣の温度を上げる方向にも働きます。
ご夫婦で一緒に食事を変えるほうが、結果として続きます。片方だけが我慢する形にすると、食卓が2種類になって長くもたないからです。
病院で確認したいこと
- 今の体重が、周期の乱れにどれくらい関わっていると考えられるか
- 目標があるなら、何キロを、どれくらいの期間で目指すのか
- 血糖やインスリンの検査は受けておいたほうがよいか
- 甲状腺の検査は済んでいるか。体重の変化に関わることがある
- 減量中に妊活を続けてよいか。それとも整えてからか
最後の項目は、案外はっきりしないまま進んでいることが多いです。聞いておくと迷いが減ります。
鍼灸で見ていること|数字より、めぐりと食べ方
ここからは、私たちが体をどう見ているかの話です。
鍼を打てば体重が落ちる。そういう話ではない、と先に書いておきます。
私たちが見ているのは、その手前にあるところです。やせ型の方は、消化吸収の力そのものが落ちていることがよくあります。食べているのに増えない、食後に張って苦しい、という方は、量を増やすより先にそこを立て直すほうが早いです。
体重が多めの方の場合は、むくみと血流の滞りが重なっていることが多く、下腹部の冷えとして表に出てきます。減量そのものより、めぐる体に戻すほうを先に置きます。
どちらの場合も、食事の内容と食べ方は栄養の側から一緒に見ていきます。体重という1つの数字だけを追いかけても、うまくいかないことが多いからです。
今日からできること
- 今のBMIを計算しておく。体重÷(身長m×身長m)
- 朝食を抜かない。やせ型にも肥満型にも効く
- 野菜やたんぱく質を先に、炭水化物を後に
- 食後に10分歩く
- 健診の数値で、貧血と血糖を確認する
- 極端な糖質制限をやめる。減らすなら量を少しずつ
- 体重と生理周期を同じ表に記録する。連動が見える
最後の記録は、受診のときにそのまま材料になります。
よくある質問
Q. BMIはいくつを目指せばいいですか?
一般には18.5から25のあいだが目安とされます。ただ、そこに入っていれば安心という話でもないので、周期が整っているかどうかを合わせて見てください。
Q. やせているのに生理が来ません。体重を戻せば来ますか?
戻る方もいます。ただ、他の原因が隠れていることもあるので、まず婦人科で調べてもらってください。
Q. 糖質制限で5キロ落としたら生理が止まりました。
よくあるご相談です。落とし方と速さが体に飢餓として伝わっている可能性があります。主治医に相談のうえ、いったん食べる量を戻す判断もあります。
Q. 何キロ落とせば排卵が戻りますか?
一律の数字は出せません。現体重の数パーセントという単位で変化が出ることが知られているので、大幅な減量を前提にしなくて大丈夫です。
Q. 運動はしたほうがいいですか?
歩く程度なら、どちらの体型の方にも勧められます。やせ型で周期が乱れている方は、運動量を増やすより食べる量を合わせるほうが先です。
Q. 治療中に体重が増えてしまいました。
薬の影響で変わることがあります。自己判断で減らそうとせず、主治医に伝えてください。
まとめ
- 脂肪は女性ホルモンを作る場所。多すぎても少なすぎても周期は乱れる
- 体は飢えていると判断すると、まず排卵を止める
- やせ型は、体重より「使う量に対して足りているか」
- 肥満型の背景はインスリン。大幅な減量は前提にしなくてよい
- 急いで落とすと、やせと同じ信号になる。月1〜2キロまで
- 男性の体重も精子に関わる。夫婦で変えるほうが続く
この記事は一般的な情報の整理であり、診断や治療方針を示すものではなく、個別の判断に代わるものでもありません。
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診察室で数字を渡されて、それが何を意味するのか分からないまま帰ってくる。家で検索して、よけい不安になる。それを何周期も繰り返している方が、本当に多いです。妊活って人に言いづらいので、よけいにひとりで抱えてしまうんですよね。
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私たちも、通う側にいました
代表の前田は、妻と一緒に不妊治療を受けてきました。タイミング法から人工授精まで進んで、検査で自分の側にも原因が見つかったときのことも、判定を待つあいだの落ち着かない時間も、通う側として知っています。なので、寄り添って、二人三脚で進んでいきたいと思っています。
婦人科で進めている治療はそのまま続けていただいて、体のほうを整えるお手伝いをしています。主治医の方針を変えることはしません。まだ迷っている段階でも、話を聞くだけでかまいません。
サクラダ治療室は、東京都北区の東十条院(JR東十条駅から徒歩4分)と、埼玉県さいたま市の大宮院(大宮駅から徒歩5分)の2院です。どちらも院長は女性で、スタッフも全員女性です。通いやすいほうをお選びください。
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