黄体機能不全と言われたら|高温期の見方と、今日からできること

こんにちは、サクラダ治療室の前田です🌸
「黄体機能不全かもしれませんね」。診察室でそう言われて、聞き慣れない言葉に戸惑ったまま帰ってきた。あるいは基礎体温をつけていて、高温期がガタガタだったり、途中で下がってしまったりするのが気になっている。そういう方、よくいらっしゃいます。

先に結論から

・黄体機能不全は、排卵のあとに出るホルモン(プロゲステロン)がうまく働いていない状態のこと
・ただし診断基準は国内外でまだ統一されていません。基礎体温だけで決まるものでもない
・高温期は「長さ」より「14日ほど維持できているか」を見る
・乱れの原因は、黄体そのものより排卵までの過程にあることが多い
・睡眠・栄養・冷え・ストレス。この4つは今日から動かせる

この記事では、黄体って何をしているのか、どこを見ればいいのか、病院で何を聞けばいいのか、そして毎日の暮らしで何ができるのかを、順番にお話ししますね。

黄体って何? 排卵したあとの「殻」が働きます

排卵が終わると、卵子が飛び出したあとの卵胞が黄体という組織に変わります。殻がそのまま残って、別の仕事を始めるイメージです。

この黄体から出るのがプロゲステロン(黄体ホルモン)。働きは大きく2つあります。

  • 子宮内膜をふかふかに保つ:受精卵が着床しやすい状態にする
  • 体温を上げる:基礎体温が高温期に入るのは、このホルモンのはたらき

つまり高温期というのは、プロゲステロンが出ているあいだの時期、ということですね。子宮内膜の厚みの話ともつながってきます。

黄体機能不全とは、どういう状態か

プロゲステロンの量が足りない、あるいは出ている期間が短い。そういう状態をまとめて黄体機能不全と呼んでいます。

内膜が十分に育たないまま着床の時期を迎えてしまったり、着床しても続きにくくなったりする背景のひとつとして語られます。

ただ、ここは正直にお伝えしておきたいところで、黄体機能不全には、世界的に統一された診断基準がまだありません。血液検査でプロゲステロンを測る方法も、1回の数値では判断しにくいところがあります。プロゲステロンは1日の中でも波があって、測った時間で数字が変わるからです。

なので「基礎体温がガタガタ=黄体機能不全」と自分で決めてしまわないほうがいいです。基礎体温は毎日の条件でかんたんに揺れますし、見るべきところは他にもあります。

高温期は「長さ」より「維持できているか」

ここがいちばんお伝えしたいところです。

高温期は14日ほどというのが目安になります。ただ、大事なのは日数そのものより、その期間ずっと高い状態を保てているかのほうです。

  • 途中でガクッと下がって、また上がる
  • 高温期に入ったのに、低温期との差がはっきりしない
  • 10日たたずに生理が来てしまう

こういう形が毎周期続くようなら、一度相談してみる価値があります。逆に、たまたま1周期そうだっただけなら、測り方や体調の影響のことも多いです。

もうひとつ、よく誤解されているところがあります。周期が長い・短いは、高温期ではなく低温期の長さで決まります。38日周期の方も、25日周期の方も、高温期はだいたい14日前後。違っているのは排卵までの日数のほうです。詳しくは生理周期がバラバラなときの記事と高温期が短いときの記事にも書いています。

なぜ乱れるのか。原因は「排卵より前」にあることが多いです

黄体は、排卵した卵胞がそのまま変化したものです。なので元の卵胞がしっかり育っていないと、黄体もうまく作られません。

だから黄体そのものを責めるより、排卵までの過程を見るほうが近道になります。そこに関わってくるのが、この4つです。

① 睡眠のリズム

ホルモンの指令は、脳の視床下部から下垂体、卵巣へと順番に伝わっていきます。この一番上の視床下部は、睡眠や体内時計の影響をとても受けやすいところです。寝る時間がバラバラだと、指令も揺れます。睡眠と妊活の記事でも触れています。

② 栄養、とくにたんぱく質と鉄

ホルモンの材料になるのも、内膜を育てるのも、もとは食べたものです。たんぱく質が足りていない方は本当に多いですし、フェリチン(貯蔵鉄)が低いと、だるさや冷えとして出てくることもあります。

③ 冷えと血流

卵巣や子宮に血が届かないと、育つものも育ちません。手足が冷たい、お腹や腰が冷えるという方は、冷えの記事もあわせて見てみてください。

④ ストレス

強いストレスが続くと、視床下部は「今は生殖より生き延びるほうが先」と判断します。妊活そのものがストレスになっている、ということも珍しくありません。妊活疲れの記事も書いています。

ほかに、プロラクチンが高い、甲状腺(TSH)の数値が指摘されている、といった背景が隠れていることもあります。

病院で確認しておきたいこと

診察は時間が短いので、聞きたいことを先に決めておくと話が早いです。メモに書いて持っていく方も多いですよ😊

  • プロゲステロンの採血はいつ測ったか(排卵からの日数で意味が変わります)
  • 黄体ホルモンの補充(デュファストン、ルトラールなど)を使う方針か
  • 排卵そのものが起きているか(超音波で見てもらえます)
  • プロラクチンや甲状腺は調べてあるか
  • 次の周期で何を見ていくか

薬を使うかどうかは体の状態と方針によって変わるので、通っているところで聞いてみてください。すでに補充を始めている方は、そのまま続けていただいて大丈夫です。

今日からできること

黄体の働きは、生活の影響をわりと受けます。すぐに数値が動くものではありませんが、卵が育つのにはおよそ120日(4か月)かかると言われています。今日はじめたことは、4か月後の卵に届きます。

① 寝る時間を、そろえる

何時間寝たかより、毎日だいたい同じ時間に寝て、同じ時間に起きるほうが効きます。朝、カーテンを開けて光を浴びるところまでをセットにすると、体内時計が整いやすいです。

② たんぱく質を、毎食

卵・肉・魚・大豆を、毎食どれか手のひら1枚ぶん。これだけでもだいぶ変わります。朝がパンとコーヒーだけ、という方は、まず朝に卵を1つ足すところからで大丈夫です。

③ お腹と足首を、冷やさない

夏でも足首は出さない。湯船には10分でも浸かる。これだけです。冷たい飲み物を少し減らすのも効きます。

④ 高温期は、頑張りすぎない

排卵後は体が妊娠の準備に回っている時期です。激しい運動や、無理なダイエットは、この時期は少しゆるめておくくらいがちょうどいいかなと思います。

⑤ 基礎体温は、つけても見すぎない

毎朝グラフを見て一喜一憂してしまうなら、週に1回まとめて見るでも十分です。1日の上下に意味はほとんどありません。

よくある質問

Q. 高温期が10日しかありません。妊娠できませんか?

10日前後の周期が毎回続くようなら、一度相談してみてください。ただ、1周期だけ短かったという場合は、測り方や体調の影響のことも多いです。短い周期でも妊娠されている方はいらっしゃいます。

Q. 黄体ホルモンの薬を飲めば解決しますか?

補充は、足りない分を外から入れて着床の環境を保つための方法です。あわせて、もともとの排卵の過程を整えておくと、周期ごとのばらつきが落ち着いてくる方が多いです。薬の要否は通っているところで決めていきます。

Q. 基礎体温がガタガタです。毎日きっちり測るべきですか?

同じ時間に、起きてすぐ、動く前に測る。この3つが守れていれば十分です。測れない日があっても気にしないでください。基礎体温の見方にくわしく書いています。

Q. どのくらい続ければ変わりますか?

卵が育つのにはおよそ120日(4か月)かかるので、4周期をひとつの目安に見ていただくことが多いです。

Q. 鍼灸は生理中でも受けられますか?

受けられます。経血量が多い日は、そのことを伝えていただければ内容を調整します。

まとめ

  • 黄体機能不全は、排卵後のプロゲステロンがうまく働いていない状態
  • 診断基準はまだ統一されていないので、基礎体温だけで自分で決めない
  • 高温期は長さより、14日ほど維持できているか
  • 周期の長短は低温期で決まる。高温期はどの人もだいたい14日前後
  • 乱れの原因は、黄体より排卵までの過程にあることが多い
  • 睡眠・たんぱく質・冷え・ストレス。この4つは今日から動かせる
  • 変化を見るなら3周期ぶん

高温期のグラフを見るたびに落ち込んでしまう、という声もよく聞きます。数字は体からの手紙みたいなもので、責めるためのものではないです。できるところから、一つずつでいきましょう🌸

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私たちも、通う側にいました

代表の前田は、妻と一緒に不妊治療を受けてきました。タイミング法から人工授精まで進んで、検査で自分の側にも原因が見つかったときのことも、判定を待つあいだの落ち着かない時間も、通う側として知っています。なので、寄り添って、二人三脚で進んでいきたいと思っています。

婦人科で進めている治療はそのまま続けていただいて、体のほうを整えるお手伝いをしています。主治医の方針を変えることはしません。まだ迷っている段階でも、話を聞くだけでかまいません。

サクラダ治療室は、東京都北区の東十条院(JR東十条駅から徒歩4分)と、埼玉県さいたま市の大宮院(大宮駅から徒歩5分)の2院です。どちらも院長は女性で、スタッフも全員女性です。通いやすいほうをお選びください。

サクラダ治療室 東十条院のスタッフ|東京都北区・JR東十条駅から徒歩4分・院長もスタッフも女性の妊活鍼灸院
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✍ この記事を書いた人
前田 徹弥
前田 徹弥(まえだ てつや)
サクラダライフデザイン株式会社/サクラダ治療室 代表・鍼灸師 | 臨床歴17年

鍼灸の道に入り、10年の下積みを経て独立。妊活・不妊鍼灸を専門に学び、臨床歴は17年。実は私自身も、妻とともに不妊治療を経験しました。「本当に妊娠できるのか」と、何度も不安になりました。その経験があるから、あなたの不安に寄り添えると思っています。一人で抱え込まず、二人三脚で。あなたに合った方法を一緒に見つけ、ゴールまで伴走します。

東京・北区の東十条院と、埼玉・さいたま市の大宮院でお待ちしています。

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