精液検査の見方?基準値の意味・1回の結果で判断しない理由・泌尿器科で調べることを解説

精液検査の見方|基準値の意味・1回で判断しない理由・精索静脈瘤のこと|サクラダ治療室

こんにちは、サクラダ治療室の前田です🌸
精液検査の結果票を渡された。数字がいくつも並んでいて、基準値を下回っている項目に印がついている。説明は数分で終わって、何がどれくらい悪いのかよく分からないまま帰ってきた。ここ、分かりにくいですよね。

先に結論から

・基準値は合格ラインではない。授かった男性の下位5%の線
・同じ人でも数字は毎回変わる。1回で判断しない
・悪い結果が出たときほど、期間を空けてもう一度受ける
・禁欲期間、採取場所、運ぶ温度で結果が動く

あるいは、まだ受けていない。夫が行きたがらない。

どちらの段階の方にも、先にお伝えしたいことがあります。結果票の基準値は、これを下回ったら不妊、という線ではありません。自然に子どもを授かった男性のうち、下から5%にあたる値が並んでいるだけです。下回っていても授かる方はいますし、上回っていても時間がかかる方はいます。

数字の意味、1回の結果で判断しない理由、そして男性側でできることを書いていきます。

何を見る検査か|数・動き・形の3つ

精液を採取して、顕微鏡で調べます。見ているのは大きく3つです。

精液検査で見ている項目:精液量/精子濃度と総精子数/運動率と前進運動率/正常形態率/生存率

このなかで妊活の進め方を左右しやすいのが、総精子数と前進運動率です。数がいても前に進めていなければ、卵子までたどり着けません。

精液検査は、女性側の検査と並ぶ基本の検査です。日本産科婦人科学会の不妊症の解説でも、男性側の検査として挙げられています。

男性側に要因があることは、珍しくありません

日本泌尿器科学会のページには、妊娠しない場合の約半数は男性側にも原因があるとされ、その半分は主に男性側の原因だと書かれています。

それでも、女性側だけが何年も検査と治療を重ねているご夫婦を、何組も見てきました。二人で調べれば、半分の時間で方針が決まります。

夫が行きたがらないとき

いちばん多いご相談がこれです。行きたがらない理由は、面倒だからというより、自分に原因があると言われるのが怖いというほうが大きいと思います。

なので、責める形で誘うとまず動きません。効くのは、二人分そろわないと次が決まらない、という言い方です。実際そのとおりですし、本人の問題ではなく段取りの話になります。

それでも重いようなら、自宅で採って持ち込める施設から探してみてください。病院の採取室が苦手という方は、思っているより多いです。一度受けてしまえば、次からはあっさり行くようになります。

基準値の正体|授かった人の下位5%の線

結果票に載っている基準値は、WHOが定めたものです。

精液検査の基準値についての誤解と実際:合格ラインではなく、自然に授かった男性の下位5%にあたる値が並んでいる

この数字の作り方を知っておいてください。実際に子どもを授かった男性たちを調べて、その分布の下から5%にあたる値を並べたものです。合格ラインではありません。

だから、下回っていても授かっている人が、その5%のなかに実在します。逆に、すべての項目が基準を上回っていても、それは授かった人の95%と同じ範囲にいる、という意味でしかありません。

印がついているのを見た瞬間に落ち込まなくて大丈夫です。そこから読み取るのは、次に何をするかという情報です。

1回で判断しない|同じ人でも毎回変わる

精液検査は、とにかく変動が大きい検査です。

精液検査の数字が変わる理由:体調/睡眠/直前の飲酒/仕事の疲れ/採取時の緊張/2〜3か月前の生活

同じ人が同じ月に2回受けても、数字は別物になります。体調、睡眠、直前の飲酒、仕事の疲れ、採取した場所の緊張感。そういったものに素直に反応します。

精子は作られるまでに2〜3か月かかるので、数か月前の生活が今日の結果に出ているという面もあります。夏の繁忙期を越えた秋に受けて低く出る、というようなことが起きます。

だから1回の結果だけで方針を決めることは、通常ありません。

年齢も、少しずつ効いてきます

女性側ほど急ではありませんが、男性側も年齢とともにゆるやかに変わっていきます。運動率や形の整ったものの割合が下がっていく、という形で出ます。

一人目のときに問題がなかったから今も大丈夫、とは限りません。数年空いているなら、もう一度受けておく価値があります。

悪い結果が出たときほど、期間を空けてもう一度受けてみてください。前回より良くなることは、よくあります。数字が跳ね上がって、前回は何だったのかという顔をされるご夫婦を何組も見てきました。

結果を左右する条件

精液検査の結果を左右する条件:禁欲期間は2〜7日/採取場所/体温に近い温度で運ぶ/最初の部分を採り損ねない/発熱の影響は数か月残る

施設ごとに指示が違うので、渡された説明書のとおりに合わせてください。

日本泌尿器科学会のページにも、採取から検査までの時間、気温の変化、紫外線が運動率に影響すると書かれています。自宅で採って持ち込む場合は、この3つを守れるかどうかで数字が変わります。冬に上着の外ポケットに入れて運ぶ、というのがいちばん避けたい形です。

どこで受けるか

婦人科のクリニックで受けられるところが多いです。奥さんが通っている施設でそのまま受けられるなら、話が早いと思います。

専用の採取室があるかどうかは、施設によって違います。落ち着いて採れるかどうかは、そのまま数字に出ます。予約のときに聞いておくと、当日の気持ちがだいぶ違います。

泌尿器科で受ける選択肢もあります。こちらは精液の数字だけでなく、触診や超音波まで一度に見てもらえるのが利点です。最初から原因まで知りたい方は、こちらのほうが手数が少なく済みます。

結果が良くなかったとき|まず泌尿器科で診てもらう

数値が低かった場合、次に考えるのは、なぜそうなっているのかです。

婦人科では精液の数字までは分かっても、その原因までは調べられない領域になります。男性不妊を診ている泌尿器科で、触診や超音波を受けることになります。

精索静脈瘤|もっとも多い原因で、手を打てる原因

なかでも見つかりやすいのが精索静脈瘤です。

精巣のまわりの静脈に血液がたまって、温度が上がり、精子が作られにくくなる状態です。日本泌尿器科学会のページでは、男性不妊症の40%前後に認める、もっとも頻度の高い原因と説明されています。

治療によって状態が変わりうる、数少ない原因です。自覚症状がないことも多いので、触ってもらわないと分かりません。顕微鏡を使った手術を行う施設も増えています。

精子が見つからないと言われた場合

通り道が詰まっているのか、作られていないのかで対応が変わります。精巣から直接採取する方法もあるので、その段階で諦める話ではありません。

費用の面では、人工授精などの一般不妊治療と、体外受精などの生殖補助医療が2022年4月から公的医療保険の対象になりました。男性不妊の手術が対象になるものもあります。範囲は厚生労働省の「不妊治療に関する取組」にまとまっています。

病院で確認したいこと

病院で確認したいこと:何回目の検査か/この数字でどの方法が現実的か/泌尿器科で診てもらったほうがよいか/精索静脈瘤の有無/禁欲期間や採取方法は指示どおりだったか

2つ目は、夫婦で一緒に聞いておくと話が早いです。数字を見ても、それが治療の選択にどう効くのかは説明されないまま終わりがちです。

女性側の検査と合わせて見ることで、はじめて全体の方針が決まります。卵管が通っているかどうかは子宮卵管造影で確かめられるので、同じ時期にまとめてしまうのが早いと思います。

鍼灸で見ていること|精巣は、冷やす側の臓器

ここからは、私たちが体をどう見ているかの話です。

女性とは、逆になります

女性の体では、下腹部を冷やさないことを重く見ます。男性はここが逆になります。

精子が作られるには、体温より少し低い温度が必要です。だから精巣は、わざわざ体の外側にぶら下がっています。だから男性の場合は、こもった熱をどう逃がすかという見方になります。

長時間座りっぱなしの仕事、締めつけの強い下着、サウナや長風呂、膝の上のノートパソコン。こうしたものが積み重なっている方は多いです。ひとつひとつは小さくても、毎日のことなので効いてきます。

骨盤まわりの血流と、眠り

同時に、骨盤まわりの血流が滞っていないかも見ます。長時間の運転や在宅勤務で、股関節から骨盤の底が固まったままの方をよく見ます。

睡眠不足とストレスが続けば、ホルモンの出方も変わります。男性側は生活がそのまま数字に出やすいので、変えた分が見えやすいという面もあります。

通い方の目安

精子が作られるのに2〜3か月かかるので、変化を数字で見たいなら、その期間は見ておいてください。1回や2回で結果を求める種類のものではありません。

最初のうちは週に1回くらいのペースで来られる方が多いです。体の反応が出てきたら、間隔をあけていきます。ご夫婦そろって来られる方もいますし、ご主人だけ来られる方もいます。

治療のスケジュールが決まっている場合は、その日程に合わせて組み替えます。婦人科や泌尿器科で進めている治療が主役で、私たちは体のほうを整える側です。主治医の方針はそのままで大丈夫です。

今日からできること

今日からできること:まず1回検査を受ける/サウナ長風呂ノートパソコンを減らす/締めつけの強い下着をやめる/1時間に一度立つ/禁煙する/睡眠時間を確保する

サプリメントを検討される方も多いのですが、まず上の6つのほうが確実です。2〜3か月続けてから、もう一度検査を受けてみてください。

運動率を指摘された方向けに、生活の見直しを精子の運動率が低いと言われたらにもう少し細かく書いています。

精液検査でよくある質問

夫が検査に行ってくれません。どう言えばいいですか?

あなたを疑っている、ではなく、二人分そろわないと方針が決まらないという言い方にすると、動いてくれることがあります。自宅で採取して持ち込める施設もあるので、そこから提案してみてください。

運動率が30%でした。これは低いですか?

結果票の基準値と見比べつつ、1回の数字で決めないでください。期間を空けてもう一度受けると、変わることがよくあります。

精子は毎日出したほうがいいですか。溜めたほうがいいですか。

溜めすぎると古い精子が増えます。検査前の禁欲期間は施設の指示に従って、普段は極端に空けないくらいの感覚で大丈夫です。

自宅で採って持って行くのと、病院で採るのはどちらがいいですか?

落ち着いて採れるほうを選んでください。自宅の場合は、体温に近い温度で、指示された時間内に届けることが条件になります。

精索静脈瘤と言われました。手術したほうがいいですか?

程度と、奥さん側の年齢や状況によって判断が変わります。泌尿器科と婦人科の両方の見立てをそろえて決めるのが確実です。

一人目は自然にできました。今回も大丈夫ですか?

一人目のときの結果は、今の結果ではありません。数年経っていれば生活も年齢も変わっています。二人目がなかなかできないときにも書きましたが、ここを飛ばしたまま進めているご夫婦が本当に多いです。

サプリは何を飲めばいいですか?

先に生活のほうを整えてください。熱をこもらせない、眠る、やめられるなら禁煙する。この3つのほうが、確実に効きます。そのうえで足りないところを補う順番です。

結果が悪かったら、すぐ体外受精になりますか?

数字の程度によります。人工授精で進める判断になることもあります。人工授精(AIH)の流れに、当日までの準備とその後の過ごし方をまとめています。

まとめ

  • 基準値は合格ラインではない。授かった男性の下位5%の線
  • 同じ人でも数字は毎回変わる。1回で判断しない
  • 悪い結果が出たときほど、期間を空けてもう一度受ける
  • 禁欲期間、採取場所、運ぶ温度で結果が動く
  • 低かったら泌尿器科へ。精索静脈瘤は手を打てる原因
  • 精子が見つからなくても、そこで終わる話ではない
  • 男性側は、こもる熱を逃がすことから

この記事は一般的な情報の整理であり、診断や治療方針を示すものではなく、個別の判断に代わるものでもありません。

東十条院はこちら → 妊活・不妊鍼灸サクラダ治療室 東十条院(東京都北区)
大宮院はこちら → 妊活・不妊鍼灸サクラダ治療室 大宮院(埼玉県さいたま市)

聞ける場所を作りました

診察室で数字を渡されて、それが何を意味するのか分からないまま帰ってくる。家で検索して、よけい不安になる。それを何周期も繰り返している方が、本当に多いです。妊活って人に言いづらいので、よけいにひとりで抱えてしまうんですよね。

私も同じでした。妻と不妊治療をしていたとき、分からないことを聞ける場所が、どこにもなかったんです。
だから作りました。毎月ひらいている無料のオンライン講座です。Zoomの少人数で、顔出しはしなくて大丈夫。お名前とメールだけで申し込めます。通院の勧誘もしません。聞いて帰るだけで大丈夫ですよ🌸

妊活オンライン講座|体質タイプ別 妊活の進め方・参加費無料・Zoom・少人数|サクラダ治療室

次回の日程と内容はこちらのページにまとめています。

私たちも、通う側にいました

代表の前田は、妻と一緒に不妊治療を受けてきました。タイミング法から人工授精まで進んで、検査で自分の側にも原因が見つかったときのことも、判定を待つあいだの落ち着かない時間も、通う側として知っています。なので、寄り添って、二人三脚で進んでいきたいと思っています。

婦人科で進めている治療はそのまま続けていただいて、体のほうを整えるお手伝いをしています。主治医の方針を変えることはしません。まだ迷っている段階でも、話を聞くだけでかまいません。

サクラダ治療室は、東京都北区の東十条院(JR東十条駅から徒歩4分)と、埼玉県さいたま市の大宮院(大宮駅から徒歩5分)の2院です。どちらも院長は女性で、スタッフも全員女性です。通いやすいほうをお選びください。

サクラダ治療室 東十条院のスタッフ|東京都北区・JR東十条駅から徒歩4分・院長もスタッフも女性の妊活鍼灸院
東京都・東十条院
サクラダ治療室 大宮院のスタッフ|埼玉県さいたま市大宮区・大宮駅から徒歩5分・院長もスタッフも女性の妊活鍼灸院
埼玉県・大宮院

まだ決めきれないときは、LINEで

予約するかどうか決めきれない、他の院とも比べている、そういう段階でかまいません。お名前もメールアドレスも要りません。聞いてみたいことがあれば、一言だけでもどうぞ。

何から手をつけるとよいか、先に知りたい方へ

18の質問に答えると、いまどこから整えるとよいかが出てきます。3分ほどで終わって、登録も要りません。結果に出てくる言葉をLINEに送っていただくと、その傾向に合わせた続きをお返しします。

✍ この記事を書いた人
前田 徹弥
前田 徹弥(まえだ てつや)
サクラダライフデザイン株式会社/サクラダ治療室 代表・鍼灸師 | 臨床歴17年

鍼灸の道に入り、10年の下積みを経て独立。妊活・不妊鍼灸を専門に学び、臨床歴は17年。実は私自身も、妻とともに不妊治療を経験しました。「本当に妊娠できるのか」と、何度も不安になりました。その経験があるから、あなたの不安に寄り添えると思っています。一人で抱え込まず、二人三脚で。あなたに合った方法を一緒に見つけ、ゴールまで伴走します。

東京・北区の東十条院と、埼玉・さいたま市の大宮院でお待ちしています。

プロフィール詳細はこちら →

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です