移植しても着床しない?反復着床不全で調べること|子宮鏡・慢性子宮内膜炎・着床の窓と先進医療の使い方

反復着床不全で調べること|子宮鏡・慢性子宮内膜炎・着床の窓と先進医療|サクラダ治療室

こんにちは、サクラダ治療室の前田です🌸
グレードのいい胚を戻しているのに、着床しない。何度目かの移植のあとで、胚の問題ではないかもしれません、と言われた。

先に結論から

・着床しないときは、胚・子宮の内側・受け入れる時期・体の環境の4つを見ていく
・反復着床不全に決まった線はない。よく使われるのは良好胚2〜3回
・子宮鏡は、超音波で見えにくいものを直接確かめられる
・慢性子宮内膜炎は、自覚がないまま続いていることがある

ここからが、いちばん先の見えない時期だと思います。

胚の側に原因があるなら、次の採卵でやれることがあります。ところが受け入れる側に理由があるとなると、何を調べればいいのかが急に分からなくなります。

この記事では、移植を繰り返しても着床しないときに何を見ていくのかを書いていきます。挙がることが多い検査、保険と先進医療の分かれ目、病院で確認しておきたいことまで。どの検査を受けるかは、主治医と決めてください。

着床しないとき、どこを見ていくか

移植しても着床しないときに見ていく4つの側:胚の側/子宮の内側/受け入れる時期/体の環境

大きく4つに分かれます。胚の側、子宮の内側、受け入れる時期、そして体全体の環境です。

採卵のたびにグレードのいい胚が採れているなら、胚の側はある程度確かめられていることになります。そこで次に見るのが、残りの3つです。

不妊の検査全体の並びは、日本産科婦人科学会の不妊症の解説にまとまっています。

反復着床不全とは、何回からか

はっきりした線が決まっているわけでもありません。

よく使われるのは、グレードのよい胚を2回から3回戻しても妊娠に至らないときです。ただ、年齢や胚の状態によって、その回数の重みは変わります。

同じ2回でも、40代の方の2回と30代前半の方の2回では、次にやることが違ってきます。回数だけで決めずに、これまでの経過とセットで考えることになります。

胚の側は、どこまで確かめられているか

見た目のグレードがよくても、染色体の数に過不足がある胚はあります。ここは外から見ただけでは分かりません。

年齢が上がるほど、その割合は増えていくと言われています。なので40代で2回続けて着床しなかった場合、受け入れる側より先に胚の側を疑うこともあります。

卵の質そのものの話はミトコンドリアと卵子の質の関係にまとめました。

挙がることが多い検査

反復着床不全で挙がる検査:子宮鏡検査/慢性子宮内膜炎の検査(CD138)/子宮内膜受容能検査(ERA)/子宮内細菌叢の検査/血液が固まりやすくないかの検査

子宮鏡検査|中を直接見る

細いカメラを子宮の中に入れて、内側を直接見る検査です。

内膜のポリープ、内側に張り出した筋腫、以前の手術で残った癒着。超音波では分かりにくいものが、ここで見つかることがあります。

内側に出ている筋腫やポリープが見つかった場合、取ってから移植に進む判断になることもあります。筋腫の場所による違いは子宮内膜症・子宮筋腫と妊活に書きました。

検査そのものは数分で終わります。生理が終わってから排卵までのあいだに行うことが多いです。痛みが心配なら、先に言っておいてください。鎮痛剤を使う施設もあります。

慢性子宮内膜炎|自覚のないまま続く炎症

子宮の内膜に、弱い炎症がずっと残っている状態です。

困るのは、痛みも発熱もないことが多いところです。本人はまったく気づきません。内膜の一部を取って、炎症に関わる細胞がいないかを染色して調べます。

見つかった場合は、抗菌薬で治療してから移植に進むという流れになります。

治療のあと、もう一度調べて落ち着いているかを確認する施設もあります。ここで1周期か2周期を使うことになるので、その分の時間は見ておいてください。

原因がはっきりしないことも多く、見つかったからといって誰かのせいでもありません。調べれば手が打てる種類のものとして受け取っていただければと思います。

子宮内膜受容能検査|時期が合っているか

内膜が胚を受け入れられる時期は、限られていると言われています。

その時期が、人によって少しずれていることがある。内膜を少し採って遺伝子の出方を調べ、移植する日をずらしたほうがいいかどうかを見る検査です。ERAと呼ばれることが多いです。

この検査のために1周期使うことになるので、時間の配分も含めて相談することになります。

ずれが見つかった場合は、次の移植で戻す日を前後にずらします。半日ずらすだけで合う方もいます。

逆に、ずれていないという結果が出ることもあります。それはそれでここは原因ではないと分かったということなので、次に見るところが絞れます。

子宮内の細菌のバランス

子宮の中にも細菌がいて、そのバランスが着床に関わっていると言われています。

内膜を採って、どんな細菌がどれくらいいるかを調べます。受容能検査と同じ検体でまとめて出せる施設もあります。

血液が固まりやすくないか

血が固まりやすい体質だと、着床のあとの流れに影響することがあると言われています。

不育症の検査と重なる項目が多いので、流産を繰り返している方は、こちらから入ることもあります。甲状腺の数値も一緒に見られることが多いです。甲状腺については甲状腺(TSH)と妊活にまとめました。

保険でできることと、先進医療になること

不妊治療の保険適用と先進医療の違い:採卵から胚移植までの基本は保険、ERAや子宮内細菌叢検査などの追加は先進医療として自費で上乗せできる

採卵から胚移植までの基本の部分は、2022年4月から公的医療保険の対象になっています。

一方で、受容能検査や子宮内細菌叢の検査は先進医療という枠に入っていて、その部分だけ自費になります。保険の治療と併せて使えるのが、この枠の特徴です。対象の範囲は厚生労働省の「不妊治療に関する取組」にまとまっています。

先進医療は、どこの施設でもできるわけではありません。技術ごとに、届け出をした医療機関でしか行えません。

どこで受けられるかは、厚生労働省の「先進医療を実施している医療機関の一覧」で調べられます。いま通っている施設でできない検査を勧められたときは、ここを見ておくと話が早いです。

病院で確認したいこと

反復着床不全で病院に確認したいこと:次に調べる順番/子宮鏡はいつ受けるか/慢性子宮内膜炎は調べたか/ERAを勧める理由/先進医療の費用/次の移植までどれくらい空けるか

1つ目がいちばん大事です。検査はまとめて全部やるものでもないので、なぜその順番なのかを聞いておくと、納得して進めます。

聞きづらければ、紙に書いて渡してしまうのも手です。診察は短いので、その場で思い出すのは難しいと思います。

鍼灸で見ていること|受け入れる側の状態

ここからは、私たちが体をどう見ているかの話です。

炎症や受け入れる時期そのものは、検査と治療の領域です。私たちが見ているのは、内膜へ血を届ける側と、体力です。

内膜へ血を届ける側

私たちが見ているのは、そのまわりです。骨盤の中に血が巡っているか、下腹部が冷えていないか、腰まわりが固まっていないか。

内膜が厚くなるには、そこへ血が届いている必要があります。厚みの話は子宮内膜の厚みと着床率の関係にも書きました。

移植の前後で、やることを変えます

移植の日程が決まっている方は、その前後で刺激の量も使うところも変えます。日程が決まったら教えてください。そこに合わせて組みます。

判定を待つあいだに来られる方もいます。着床のサインは分かる?にも書きましたが、この2週間は体より気持ちのほうがきつくなります。

栄養と眠り

移植を繰り返している時期は、食事が雑になります。鉄やたんぱく質が足りていないまま進んでいる方は多いです。妊活と鉄に入れ方をまとめました。

今日からできること

今日からできること:これまでの移植の記録を並べる/聞きたいことを3つ書き出す/甲状腺と貧血の数値を確認/下腹部と腰を冷やさない/眠る時間を確保/ひとりで抱えない

1つ目をやると、診察での話が変わります。何回目に、どのグレードの胚を、内膜何ミリのときに戻したか。これが並んでいると、次にどこを疑うかの手がかりになります。

スマホのメモで十分です。移植のたびに3行だけ書き足していくと、あとで並べたときに効いてきます。

薬の名前と量も書いておいてください。同じ方法を繰り返しているのか、少しずつ変えているのか。ここが自分で分かっていると、説明が頭に入りやすくなります。

着床しないときのよくある質問

何回移植したら、検査を考えたほうがいいですか?

よく使われるのは2回から3回ですが、年齢や胚の状態で変わります。回数だけでなく、これまでの経過と合わせて主治医と相談してください。

検査を全部受けたほうがいいですか?

まとめて全部やるものでもありません。順番があるので、なぜその検査から始めるのかを聞いてみてください。時間と費用の配分の話にもなります。

慢性子宮内膜炎は、症状で分かりますか?

分からないことが多いです。痛みも発熱も出ないまま続いていることがあるので、調べないと見つかりません。

先進医療は、いま通っている病院でできますか?

技術ごとに、届け出をした施設でしか行えません。厚生労働省のページで実施している医療機関を調べられるので、確認してみてください。

転院したほうがいいですか?

説明に納得できない、次の手が見えてこない。そういうときはセカンドオピニオンを取る方もいます。紹介状を書いてもらえば、検査の結果は持っていけます。

鍼灸は、移植の何日前から行けばいいですか?

直前だけより、少し前から整えておくほうが体は動きやすいです。日程が決まった時点で教えていただければ、そこに合わせて組みます。

検査の結果を持っていってもいいですか?

ぜひ持ってきてください。子宮鏡の所見や慢性子宮内膜炎の結果があると、体のどこを見るかが絞れます。数値があるとこちらも組み立てやすいです。

移植が続いて、気持ちがもちません。

その状態で来られる方は多いです。施術中の数十分が、ひとりになれる時間だったとおっしゃる方もいます。体を整えるのと、気持ちを落ち着けるのと、両方あっていいと思っています。

まとめ

  • 着床しないときは、胚・子宮の内側・受け入れる時期・体の環境の4つを見ていく
  • 反復着床不全に決まった線はない。よく使われるのは良好胚2〜3回
  • 子宮鏡は、超音波で見えにくいものを直接確かめられる
  • 慢性子宮内膜炎は、自覚がないまま続いていることがある
  • 受容能検査と子宮内細菌叢の検査は先進医療。保険と併せて使える
  • 先進医療は、届け出をした施設でしか行えない
  • 検査はまとめてやるより、順番とその理由を聞く

この記事は一般的な情報の整理であり、診断や治療方針を示すものではなく、個別の判断に代わるものでもありません。

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聞ける場所を作りました

診察室で数字を渡されて、それが何を意味するのか分からないまま帰ってくる。家で検索して、よけい不安になる。それを何周期も繰り返している方が、本当に多いです。妊活って人に言いづらいので、よけいにひとりで抱えてしまうんですよね。

私も同じでした。妻と不妊治療をしていたとき、分からないことを聞ける場所が、どこにもなかったんです。
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次回の日程と内容はこちらのページにまとめています。

私たちも、通う側にいました

代表の前田は、妻と一緒に不妊治療を受けてきました。タイミング法から人工授精まで進んで、検査で自分の側にも原因が見つかったときのことも、判定を待つあいだの落ち着かない時間も、通う側として知っています。なので、寄り添って、二人三脚で進んでいきたいと思っています。

婦人科で進めている治療はそのまま続けていただいて、体のほうを整えるお手伝いをしています。主治医の方針を変えることはしません。まだ迷っている段階でも、話を聞くだけでかまいません。

サクラダ治療室は、東京都北区の東十条院(JR東十条駅から徒歩4分)と、埼玉県さいたま市の大宮院(大宮駅から徒歩5分)の2院です。どちらも院長は女性で、スタッフも全員女性です。通いやすいほうをお選びください。

サクラダ治療室 東十条院のスタッフ|東京都北区・JR東十条駅から徒歩4分・院長もスタッフも女性の妊活鍼灸院
東京都・東十条院
サクラダ治療室 大宮院のスタッフ|埼玉県さいたま市大宮区・大宮駅から徒歩5分・院長もスタッフも女性の妊活鍼灸院
埼玉県・大宮院

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✍ この記事を書いた人
前田 徹弥
前田 徹弥(まえだ てつや)
サクラダライフデザイン株式会社/サクラダ治療室 代表・鍼灸師 | 臨床歴17年

鍼灸の道に入り、10年の下積みを経て独立。妊活・不妊鍼灸を専門に学び、臨床歴は17年。実は私自身も、妻とともに不妊治療を経験しました。「本当に妊娠できるのか」と、何度も不安になりました。その経験があるから、あなたの不安に寄り添えると思っています。一人で抱え込まず、二人三脚で。あなたに合った方法を一緒に見つけ、ゴールまで伴走します。

東京・北区の東十条院と、埼玉・さいたま市の大宮院でお待ちしています。

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