こんにちは、サクラダ治療室の前田です🌸
健診や不妊の検査で、子宮内膜症、あるいは子宮筋腫があると言われた。痛みも自覚もなかったのに、急に病名がついた。これが原因で授からないのだろうか、手術をしないと進めないのだろうかと、頭がいっぱいになりますよね。不安になりますよね。
・内膜症と筋腫は、まったく別の病気。分けて考える
・内膜症は癒着と炎症を通じて、卵管の動きと卵巣の環境に関わる
・筋腫は大きさより場所。子宮の内側に出ているかどうかが分かれ目
・手術するかは、年齢と待てる時間の配分で決まる
まず、落ち着いていただきたいことがあります。
どちらも、あること自体がそのまま妊娠を妨げるわけでもありません。問題になるかどうかは、できている場所と大きさで決まります。同じ「筋腫がある」でも、様子を見てよいものと、先に対処したほうがよいものがあります。
この2つは性質がまったく違う病気です。名前が似ているので混同されやすいのですが、分けて整理したほうが分かりやすいと思います。そのうえで、手術をするかどうかの考え方、妊活の進め方まで書いていきます。
子宮内膜症とは|内膜に似た組織が、子宮の外で増える
本来なら子宮の内側にあるはずの組織に似たものが、子宮の外にできてしまう病気です。卵巣、腹膜、子宮の裏側など、できる場所はいろいろです。

困るのは、その組織も月経周期に反応するところです。周期に合わせて増えては出血する。ところが子宮の外にあるので、血液が外へ出ていく道がありません。出ていけない血がその場にたまり、まわりに炎症を起こして、やがて周囲の臓器どうしをくっつけていきます。これが癒着です。
病気そのものの説明は、日本産科婦人科学会の子宮内膜症のページにまとまっています。
どうして妊活に関わるのか|癒着で、卵管が動きにくくなる
癒着が起きると、卵管が本来の動きをしにくくなります。ここが、内膜症が妊活に関わってくる一番の入り口です。

排卵した卵子は、卵管の先端が迎えにいってつかまえる仕組みになっています。ところが周囲とくっついて動きが制限されると、この受け渡しがうまくいきません。だから卵管そのものが詰まっていなくても、妊娠が成立しにくくなることがあります。
もうひとつ、炎症そのものの影響もあると言われています。骨盤のなかで炎症が続いていると、卵子や精子、受精卵にとって居心地のよくない環境になる。検査では異常が出ないのに授からない方の背景に、これがあることもあります。
卵管が通っているかどうかは子宮卵管造影で確かめられます。癒着が疑われるときは、まずここからになることが多いです。
チョコレート嚢胞|卵巣のなかに血がたまる
卵巣のなかに内膜症ができると、古い血液がたまって袋のようになります。中身の色からチョコレート嚢胞と呼ばれているものです。
袋が大きくなると、卵巣の正常な部分を押しのける形になります。まわりの炎症によって、卵巣の働きそのものが影響を受けることもあります。採卵のときに針を刺す経路にかかると、そこも考えて進めることになります。
子宮腺筋症|子宮の筋肉のなかに入り込む
同じような組織が、子宮の筋肉の層のなかに入り込む状態を子宮腺筋症と呼びます。
生理痛が強い、経血が多い、子宮全体が大きくなってくるといった形で出てきます。子宮の壁そのものの性質が変わるので、着床のしやすさにも関わってきます。内膜症と腺筋症は、名前は似ていても別のものです。両方を持っている方もいます。
子宮の壁の状態と着床の関係は、子宮内膜の厚みと着床率の関係にも書いています。
どうやって見つけるのか
内診と経腟超音波が入り口です。卵巣の嚢胞や子宮の形は、ここでかなり見えてきます。広がりを詳しく見たいときはMRIが使われます。
ただ、腹膜にうっすら散っているような内膜症は、画像に写りません。確かめるには腹腔鏡でお腹のなかを見ることになります。だから画像で何も出なくても、内膜症がないとは限りません。生理痛が年々重くなっている、性交時や排便時に痛みがある。そういう自覚があるなら、そのまま伝えてください。
- 生理痛が年々重くなっている
- 鎮痛剤が効きにくくなってきた
- 生理のとき以外にも下腹部が痛む
- 性交のときに奥が痛い
- 生理中の排便が痛い
- 腰やおしりのあたりが重だるい
ひとつでも当てはまるなら、診察のときに口に出しておいてください。聞かれないと言いそびれる項目ばかりです。
子宮筋腫とは|筋肉のこぶ。場所で意味が変わる
子宮の筋肉の層にできる良性のこぶです。珍しいものではなく、年齢とともに持っている方は増えていきます。健診で小さいのがありますねと言われたきり、そのままになっている方も多いと思います。妊娠を考える段になって急に気になりはじめる、というのがよくある流れです。
こちらも日本産科婦人科学会の子宮筋腫のページで、良性の腫瘍であることが説明されています。
大きさより、場所を聞く
妊活で重要なのは、大きさよりも場所です。

同じ大きさでも、内側に出ているものと外側に飛び出しているものでは、意味がまるで違います。筋腫がありますと言われたら、まず場所を聞いてください。そこが分からないまま不安を抱えている方が、とても多いです。
筋層内のものは判断が分かれるところで、子宮の内腔をゆがめているかどうかが目安になります。同じ4センチでも、内腔に張り出していれば先に対処を考えますし、外向きに育っていれば経過を見ることもあります。
症状の出かた|経血の多さと、貧血
内側に出ている筋腫は、経血が多くなりやすいです。昼でも夜用を使う、レバーのような塊が出る、2時間ごとに替えないと不安。このあたりが続いているなら、一度伝えておいたほうがいいと思います。
経血が多い状態が何年も続くと、少しずつ貧血が進みます。健診で毎回ひっかかるわけでもないので、本人も気づいていないことがあります。だるさや息切れを、年齢のせいだと思っている方は多いです。
大きくなった筋腫が膀胱を押して頻尿になったり、腰に重さが出たりすることもあります。
- 昼でも夜用のナプキンを使っている
- レバーのような塊が出る
- 2時間もたないことがある
- 生理が8日以上続く
- 健診でいつも貧血ぎみと言われる
- トイレが近い、下腹部が張る
手術するかどうか|年齢と、待てる時間で決まる
ここは慎重に考えるところです。

手術で得られるものと、引き受けるもの
取れるものなら取ってしまいたい、と思うのが自然な気持ちだと思います。手術をすれば妨げになっているものは取れます。ただ同時に、回復を待つ時間と体への負担も引き受けることになります。両方を見たうえで決めたほうが、あとで迷いが残りません。
子宮に切開が入った場合は、妊娠までしばらく期間を空けるよう指示されます。子宮の壁が治りきる前に妊娠すると、妊娠中に負担がかかるためです。その期間のあいだも、年齢は進んでいきます。
術式によっても違います。子宮の内側に出ている筋腫なら、子宮鏡を使って腟から取れることがあり、この場合は子宮の壁を切らずに済みます。筋層内や漿膜下のものは腹腔鏡か開腹になります。同じ筋腫核出術でも、そのあとの待機期間はまったく変わってきます。
チョコレート嚢胞の手術|卵巣の余力の話
チョコレート嚢胞の手術には、もうひとつ考えるところがあります。嚢胞を取り除くときに、まわりの正常な卵巣組織も一緒に減ってしまうことがある、という点です。
卵巣の余力が下がる可能性があるので、年齢やAMHの値を見ながら判断されます。手術か体外受精か、という二択ではありません。どちらを先に置くか、という時間の配分の話になります。
若くて時間に余裕があれば、先に手術をして自然な妊娠を目指す道があります。年齢が進んでいる場合は、手術より先に採卵して受精卵を確保しておく判断もあります。正解が1つに決まらないところなので、そこは必ず主治医と詰めてください。納得できなければ、セカンドオピニオンを取る方もいます。
薬による治療|妊娠を目指す期間には使いにくい
内膜症の薬物治療は、排卵や月経を止めることで病変を落ち着かせるものが中心です。
症状を抑える効果は期待できます。ただ、その間は妊娠できません。妊活中の方にそのまま使いにくいのはこのためです。痛みを抑える時期なのか、妊活を進める時期なのか。そこから相談することになります。
低用量ピルで痛みを抑えながら年単位で過ごしてきた方が、妊活を始めるためにやめたとたん、痛みが戻って驚かれることがあります。痛みが抑えられていただけで、病気が止まっていたわけでもありません。そういう場合は、やめる前に今の状態を見てもらっておくと、先の計画が立てやすくなります。
費用のこと
手術も不妊治療も、公的医療保険の対象になるものがあります。人工授精などの一般不妊治療と、体外受精などの生殖補助医療は2022年4月から保険が使えます。どこまでが対象かは厚生労働省の「不妊治療に関する取組」にまとまっています。
手術で一定額を超えたときは高額療養費制度も使えます。窓口で払う前に手続きしておけるものもあるので、日程が決まったら加入している健康保険に聞いてみてください。
病院で確認したいこと

5つ目は、遠慮せず聞いて大丈夫です。方針の理由が分かると、納得して進めます。
聞きづらければ、紙に書いて渡してしまうのも手です。診察は短いので、その場で思い出すのは難しいと思います。
鍼灸で見ていること|病変は消せない。まわりの環境は変えられる
ここからは、私たちが体をどう見ているかの話です。
筋腫や内膜症そのものは、検査と治療の領域です。私たちが見ているのは、そのまわりの環境です。
骨盤内の冷えと、こわばり
私たちが見ているのは、そのまわりの環境です。
内膜症のある方は骨盤のなかに炎症を抱えていることが多く、それが下腹部の強い冷えや、腰から骨盤にかけての深いこわばりとして表に出てきます。お腹を触ると、そこだけ温度が違う方がいます。血流が細っている状態が続くと、痛みも拾いやすくなります。
痛みが、体を緊張させる
生理痛が重い方は、痛みそのものが体を緊張させて、その緊張がさらに血流を細くする。その繰り返しになっていることがあります。
毎月それが来るとわかっていると、来る前から体がこわばります。生理の1週間前からもう肩が上がっている方もいます。そこをゆるめるのが、私たちのやれることです。
経血が多い方の、鉄の話
経血が多くて貧血ぎみの方も多いので、栄養の面も一緒に見ていきます。鉄が足りていないまま妊活を続けている方は、思っているより多いです。
健診のヘモグロビンが基準内でも、貯金にあたるフェリチンが底をついていることがあります。だるさが抜けない、朝起きるのがつらいという方は、一度測っておくと手がかりになります。
鉄をどう補うかは妊活と鉄|フェリチンが低いと言われたらにまとめました。食事とサプリの考え方を分けて書いています。
通い方の目安
よく聞かれるので書いておきます。最初のうちは週に1回くらいのペースで来られる方が多いです。体の反応が出てきたら、間隔をあけていきます。
生理痛が主な悩みなら、生理の前と後で体の状態がまるで違うので、周期のどのあたりで来ていただくかも一緒に決めます。痛みが出てからより、来そうな時期の前に整えておくほうが、体は楽になりやすいです。
採卵や移植の予定が決まっている方は、その日程に合わせて組み替えます。婦人科で進めている治療が主役で、私たちは体のほうを整える側です。主治医の方針はそのままで大丈夫です。
手術を控えている方へ
手術が決まっている方も来られます。やっていることは、体力を戻しておくことと、術後の回復に向けて血のめぐりを確保しておくことです。
手術そのものは執刀する先生の領域です。ただ、体が整っている状態で受けるのと、疲れきったまま受けるのとでは、そのあとの戻り方が違ってきます。日程が決まったら、そのつもりで組み立てます。
ご主人の検査がまだなら、精液検査の見方も見ておいてください。女性側だけ進めても、方針は決まりません。
今日からできること

2つ目の記録は、治療方針を相談するときにそのまま材料になります。痛みの強さは診察室で言葉にしづらくて、まあまあですで流れてしまいがちです。鎮痛剤を月に何錠使ったかという数字があると、伝わり方がまるで変わりますよ。
内膜症・筋腫と妊活でよくある質問
筋腫があると言われましたが、痛みも何もありません。放っておいていいですか?
場所によります。子宮の内側に出ていなければ、経過を見る判断になることが多いです。まずは場所を確認してください。
チョコレート嚢胞の手術をすすめられました。卵巣が減ると聞いて怖いです。
その心配には理由があります。年齢とAMHを踏まえて、手術と採卵のどちらを先にするかを相談してみてください。納得できなければセカンドオピニオンを取る方もいます。
生理痛がひどいのは内膜症のせいですか?
内膜症や腺筋症で強くなることはあります。ただ、痛みの強さと病変の広がりが一致するとも限らないので、検査で確かめるほかありません。年々重くなっているなら、それは伝えておく価値のある情報です。
内膜症があると体外受精でも難しいですか?
卵管の動きを介さずに済むので、体外受精が選ばれること自体はよくあります。着床の環境については、状態を見ながら方針が決められます。
手術のあと、どれくらいで妊活を再開できますか?
子宮に切開が入ったかどうかで変わります。術式によって指示が違うので、執刀した医師に具体的な期間を確認してください。
ピルをやめて妊活を始めます。先にしておくことはありますか?
今の内膜症や筋腫の状態を、やめる前に一度見てもらっておくといいと思います。痛みが戻ってから慌てるより、先に地図があるほうが動きやすいです。
食事で小さくできますか?
食事で筋腫や内膜症が消えることはない、とお考えください。ただ、貧血の改善や痛みの出にくい体づくりという意味では、栄養を整える価値はあります。
まとめ
- 内膜症と筋腫は、まったく別の病気。分けて考える
- 内膜症は癒着と炎症を通じて、卵管の動きと卵巣の環境に関わる
- 筋腫は大きさより場所。子宮の内側に出ているかどうかが分かれ目
- 手術するかは、年齢と待てる時間の配分で決まる
- チョコレート嚢胞の手術は、卵巣の余力への影響も踏まえて判断する
- 術式によって、妊活を再開できるまでの期間が変わる
- 体の側では、骨盤内の冷えと貧血を整えておく
この記事は一般的な情報の整理であり、診断や治療方針を示すものではなく、個別の判断に代わるものでもありません。
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聞ける場所を作りました
診察室で数字を渡されて、それが何を意味するのか分からないまま帰ってくる。家で検索して、よけい不安になる。それを何周期も繰り返している方が、本当に多いです。妊活って人に言いづらいので、よけいにひとりで抱えてしまうんですよね。
私も同じでした。妻と不妊治療をしていたとき、分からないことを聞ける場所が、どこにもなかったんです。
だから作りました。毎月ひらいている無料のオンライン講座です。Zoomの少人数で、顔出しはしなくて大丈夫。お名前とメールだけで申し込めます。通院の勧誘もしません。聞いて帰るだけで大丈夫ですよ🌸

次回の日程と内容はこちらのページにまとめています。
私たちも、通う側にいました
代表の前田は、妻と一緒に不妊治療を受けてきました。タイミング法から人工授精まで進んで、検査で自分の側にも原因が見つかったときのことも、判定を待つあいだの落ち着かない時間も、通う側として知っています。なので、寄り添って、二人三脚で進んでいきたいと思っています。
婦人科で進めている治療はそのまま続けていただいて、体のほうを整えるお手伝いをしています。主治医の方針を変えることはしません。まだ迷っている段階でも、話を聞くだけでかまいません。
サクラダ治療室は、東京都北区の東十条院(JR東十条駅から徒歩4分)と、埼玉県さいたま市の大宮院(大宮駅から徒歩5分)の2院です。どちらも院長は女性で、スタッフも全員女性です。通いやすいほうをお選びください。
まだ決めきれないときは、LINEで
予約するかどうか決めきれない、他の院とも比べている、そういう段階でかまいません。お名前もメールアドレスも要りません。聞いてみたいことがあれば、一言だけでもどうぞ。
何から手をつけるとよいか、先に知りたい方へ
18の質問に答えると、いまどこから整えるとよいかが出てきます。3分ほどで終わって、登録も要りません。結果に出てくる言葉をLINEに送っていただくと、その傾向に合わせた続きをお返しします。






















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