体外受精の流れと費用は?保険適用の条件・年齢による回数制限・採卵から移植までのスケジュールを解説

こんにちは、サクラダ治療室の前田です🌸
タイミング法、人工授精と進んできて、次は体外受精と言われた。パンフレットを渡されたけれど、専門用語が多くて頭に入ってこない。何より、いくらかかるのかが分からない。ここで迷う方は多いです。

先に結論から

・体外受精は、受精したかどうかを確認してから子宮に戻す方法
・採卵までおよそ2週間。通院が増えるのは採卵前の1週間ほど
・採れた数がそのまま移植できる数にはならない。減るのは想定の範囲内
・保険は「開始時43歳未満」、回数は胚移植で数える(40歳未満6回/40歳以上3回)

この段階で立ち止まる方は、とても多いです。

これまでの治療とは、かかるお金も体への負担も、拘束される時間も違います。決心がつかないまま数か月が過ぎてしまった、というご相談を何度も受けてきました。

2022年4月から、体外受精にも保険が使えるようになりました。それ以前とは金額の桁が変わっているんです。ただし誰でも無条件に保険が使えるわけではなく、年齢と回数に条件があります。ここを知らずに進むと、途中で「ここから先は自費です」と言われて驚くことになります。

採卵から移植までの流れ、保険の条件、費用の目安、そして体の側で準備できることを順に整理します。費用も適用条件も医療機関や制度の改定で変わります。最終的な金額は必ず受診先で確認してください。

出典

保険適用の条件(女性の年齢が開始日に43歳未満、回数は40歳未満で6回・40歳以上43歳未満で3回)

こども家庭庁「みんなで知ろう、不妊症不育症のこと」 funin-fuiku.cfa.go.jp(2026年10月時点)

体外受精とは|卵子と精子を体の外で出会わせる

タイミング法も人工授精も、受精そのものは体の中で起こります。精子を子宮に入れるところまでを手助けして、あとは体にまかせる方法です。

だから、受精できていたのかどうかは分からないままでした。

体外受精は、そこが違うんですよね。卵子を体の外に取り出して、精子と出会わせて、受精したことを目で確認してから子宮に戻します。

受精しているかどうかが分かる。

ここが、それまでの治療との決定的な差です。原因のわからなさに耐える時間が、少しだけ短くなります。

精子を卵子のまわりに置いて自然に受精させる方法を体外受精(IVF)、針で1個の精子を卵子に直接入れる方法を顕微授精(ICSI)と呼びます。精子の状態や、前回の受精の結果によって使い分けられます。

採卵までの流れ|およそ2週間、通院は数回

1. 卵巣を刺激する|何個育てるかで方法が変わる

通常の周期では1個しか育たない卵胞を、薬で複数育てます。注射を中心に強く刺激する方法、飲み薬中心でおだやかに進める方法、薬をほとんど使わない方法があり、年齢・AMH・過去の反応によって選ばれます。

どれが優れている、という話ではありません。卵巣の反応の仕方に合わせて選んでいきます。強い刺激が合う方もいれば、おだやかに進めたほうが結果的に良い卵が採れる方もいます。前の周期の結果を見ながら、次で変えていくこともあります。

2. 卵胞の育ちを確認する|この時期は通院が増える

超音波で卵胞の大きさを測り、血液でホルモンを見ながら、採卵の日を決めます。2〜3日おきの通院になることが多く、仕事の調整がいちばん大変なのがこの時期です。

育ち具合は体が決めるので、日程は直前まで確定しないのが普通です。

ここが職場に説明しづらいところだと思います。「来週のどこかで1日休みます」としか言えない。上司に事情を話せる環境かどうかで、この時期の負担はずいぶん変わります。

3. 採卵|麻酔の有無は施設と本数で決まる

膣から針を入れ、卵胞から卵子を吸い出します。時間としては10〜20分ほど。静脈麻酔を使う施設、局所麻酔の施設、本数が少なければ無麻酔で行う施設があります。

採卵後は数時間休んでから帰ります。

その日は激しい運動や入浴を避けるよう指示されるのが一般的です。お腹の張りが強い、痛みが増す、尿の量が減るといった変化があれば、我慢せず連絡してください。卵巣過剰刺激症候群のサインであることがあります。

受精から移植まで|ここからは培養室の時間

採った卵子と精子を受精させ、培養器のなかで育てます。ここから数日間は、こちらにできることが何もない時間です。毎日の連絡を待ちながら過ごすことになります。

日数状態
採卵当日受精させる
翌日受精できたかを確認
2〜3日目細胞が分割していく(初期胚)
5〜6日目胚盤胞まで育つ

採れた卵子のすべてが受精するとは限らず、受精した胚のすべてが胚盤胞まで育つとも限らない。10個採れて、移植できる胚が2個、ということは普通に起こります。

数が減っていく過程は、見ていてつらいものです。ただこれは失敗ではなく、もともと卵子にはそういう性質があります。数が減ること自体は、想定の範囲内のことだと思ってください。

移植|採卵と同じ周期に戻すとは限らない

育った胚を子宮に戻します。

採卵した周期にそのまま戻す方法(新鮮胚移植)と、いったん凍結して別の周期に戻す方法(凍結融解胚移植)があります。

刺激の強い周期はホルモンが高く、子宮の内膜が受け入れ態勢になりにくいことがあります。そのため、いったん凍結して体を落ち着かせてから戻す方法が選ばれることが増えました。凍結技術が安定してきたことも背景にあります。今回は戻しませんと言われると、一歩下がったように感じてしまうものですが、受け入れる側の状態が整ってから戻すという考え方に立っています。

移植そのものは数分で終わります。麻酔も使わず、そのまま帰れます。

保険適用の条件|年齢と回数の2つで決まる

ここが一番大事なところです。

パンフレットにも書いてあるはずですが、条件が2つ重なっているので読み飛ばしやすい箇所です。自分がどこに当てはまるかを、一度紙に書き出してみてください。

条件内容
年齢治療を始める時点で女性が43歳未満
回数(40歳未満)子ども1人につき、胚移植を通算6回まで
回数(40歳以上43歳未満)子ども1人につき、胚移植を通算3回まで
自己負担3割(高額療養費制度の対象)

注意したいのは2点です。

年齢は「治療を始めた時点」で判定されること。そして回数は「採卵」ではなく「胚移植」で数えられること。採卵を何度おこなっても、移植をしなければ回数は減らない。ここは誤解されやすいところです。

誕生日をまたぐ前に開始しておくかどうかで、使える回数が変わることがあります。40歳の誕生日が近い方は、そこだけでも早めに主治医へ相談しておいてください。

先進医療|保険と併用できるものがある

保険と自費を混ぜる治療は、原則として認められていない仕組みになっています。ただし、国が「先進医療」として認めたものは、保険の治療と組み合わせて受けられます。その部分だけが自費です。

どれが対象になるかは施設ごとに届け出が必要で、扱っていない医療機関もあります。すすめられたときは、保険の対象なのか先進医療なのか完全自費なのかを、その場で聞いておいてください。後から請求書を見て驚く、ということを避けられます。

費用の目安|保険が使えるかどうかで桁が変わる

金額は施設・刺激法・薬の量・培養する胚の数で大きく動きます。

以下はあくまで幅のある目安です。

  • 保険適用の場合、採卵から移植までの1周期で、自己負担は十数万円台になることが多い
  • 1か月の自己負担が上限を超えると、高額療養費制度で後から払い戻される
  • 自費の場合は、同じ内容でも数十万円単位になる
  • 先進医療の追加、凍結胚の保管更新料は別にかかる

高額療養費は、事前に「限度額適用認定証」を用意しておくと、窓口での支払い自体を抑えられます。加入している健康保険組合に申請できるので、治療を始める前に手続きしておくと負担感が変わります。後から払い戻される仕組みでも最終的な金額は同じですが、一度まとまった額を立て替えるかどうかは、続けやすさに直結します。マイナ保険証を使っている場合は手続きが不要なこともあるので、そこも確認しておいてください。

自治体が独自に助成を出している場合もあります。

お住まいの市区町村のページを一度確認してみてください。先進医療の費用を補助している自治体もあり、知らずに使い損ねている方がいます。

病院で確認したいこと

  • 自分の刺激法は何を選んでいて、それを選んだ理由は何か
  • 今回の治療は保険の何回目にあたるのか
  • すすめられた検査や技術は、保険・先進医療・自費のどれか
  • 新鮮胚移植と凍結融解胚移植、どちらの方針か
  • 採卵の日程は、だいたいいつ頃になりそうか
  • 次に方針を変える判断は、何回目で考えるのか

最後の項目は、聞いておくと気持ちが軽くなります。出口の見えない繰り返しに感じるとき、区切りがあるだけで持ちこたえられるからです。

鍼灸で見ていること|採卵と移植では、整える方向が違う

ここからは、私たちが体をどう見ているかの話です。

体外受精は、卵を育てる工程も受精させる工程も医療が担います。そこに鍼灸が割り込む余地はない、と考えています。

私たちが見ているのは、その治療を受ける側の体です。

採卵に向かう時期は、卵巣に血液が届いているかを気にします。

骨盤内の血流が細っていると、せっかくの薬が届きにくい。下腹部の冷え、腰のこわばり、睡眠の浅さといったところから見ていきます。

移植に向かう時期は、見るところが変わります。

緊張をゆるめて、内膜が厚みを保てる状態をつくること。判定を待つあいだの眠れなさも、ここに含まれます。あの2週間をどう過ごすかは、体にも心にもこたえる部分です。

採卵直後は卵巣が腫れていることがあるので、お腹まわりの扱いを変えます。刺激の強さも、その日の状態に合わせて落とします。今どの段階にいるのか、次の予定はいつなのか、それだけ教えていただければこちらで組み立てますので、専門用語で説明していただかなくて大丈夫です。診察券やアプリの画面を見せていただくだけでも十分です。

今日からできること

  • 治療の記録を1枚にまとめておく。採卵数・受精数・胚のグレード・移植日
  • 限度額適用認定証を先に申請しておく
  • 通院が増える時期を見越して、仕事の調整の仕方を決めておく
  • 夫の精液検査を、まだなら受けておく
  • 採卵前は睡眠時間を優先する。夜ふかしを減らすだけでも違う
  • 下腹部と腰を冷やさない

1枚の記録は、転院するときにも、方針を相談するときにも効きます。記憶だけで話そうとすると、周期を重ねるほど混ざっていきます。スマホのメモで十分です。

よくある質問

Q. 体外受精は何回くらいで妊娠する人が多いですか?

年齢や状況によって差が大きく、一概には言えない部分です。ご自身の見通しについては、これまでの経過を把握している主治医にたずねてください。

Q. 採卵って痛いですか?

麻酔の種類と採る本数で変わります。静脈麻酔なら眠っているあいだに終わります。痛みが心配なら、麻酔について希望を伝えておいて大丈夫です。

Q. 卵が1個しか採れませんでした。意味がないですか?

1個でも移植に進めます。数が多ければよいというものでもなく、1個から妊娠される方もいます。採れた数と結果は、必ずしも比例しません。

Q. 仕事を休まないと無理でしょうか?

採卵の日は休みが必要です。それ以外は、朝いちばんの診察で間に合うことも多いです。通院が増えるのは採卵前の1週間ほどなので、その時期を中心に調整してみてください。

Q. 保険の回数を使い切ったらどうなりますか?

自費での治療に切り替わります。自治体の助成が使える場合もあるので、回数が残り少なくなってきた時点で、費用の相談を先にしておくと安心です。

Q. 凍結した胚はいつまで置いておけますか?

施設ごとに保管期間が決まっていて、更新の手続きと費用が必要です。更新の連絡を見落とすと困るので、期限だけは控えておいてください。

Q. 鍼に通うなら、いつから始めるのがいいですか?

採卵の周期に入る前から体を整えておけるのが理想です。ただ、移植の直前から始められる方もいます。今どの段階かを教えていただければ、それに合わせてご提案します。

まとめ

  • 体外受精は、受精したかどうかを確認してから子宮に戻す方法
  • 採卵までおよそ2週間。通院が増えるのは採卵前の1週間ほど
  • 採れた数がそのまま移植できる数にはならない。減るのは想定の範囲内
  • 保険は「開始時43歳未満」、回数は胚移植で数える(40歳未満6回/40歳以上3回)
  • 高額療養費と限度額適用認定証を先に手配しておく
  • 体の側では、採卵前と移植前で整える方向が変わる

保険適用の条件・回数・費用は制度改定や医療機関によって変わります。この記事は一般的な情報の整理であり、診断や治療方針を示すものではございません。実際の適用については受診先にご確認ください。

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聞ける場所を作りました

診察室で数字を渡されて、それが何を意味するのか分からないまま帰ってくる。家で検索して、よけい不安になる。それを何周期も繰り返している方が、本当に多いです。妊活って人に言いづらいので、よけいにひとりで抱えてしまうんですよね。

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次回の日程と内容はこちらのページにまとめています。

私たちも、通う側にいました

代表の前田は、妻と一緒に不妊治療を受けてきました。タイミング法から人工授精まで進んで、検査で自分の側にも原因が見つかったときのことも、判定を待つあいだの落ち着かない時間も、通う側として知っています。なので、寄り添って、二人三脚で進んでいきたいと思っています。

婦人科で進めている治療はそのまま続けていただいて、体のほうを整えるお手伝いをしています。主治医の方針を変えることはしません。まだ迷っている段階でも、話を聞くだけでかまいません。

サクラダ治療室は、東京都北区の東十条院(JR東十条駅から徒歩4分)と、埼玉県さいたま市の大宮院(大宮駅から徒歩5分)の2院です。どちらも院長は女性で、スタッフも全員女性です。通いやすいほうをお選びください。

サクラダ治療室 東十条院のスタッフ|東京都北区・JR東十条駅から徒歩4分・院長もスタッフも女性の妊活鍼灸院
東京都・東十条院
サクラダ治療室 大宮院のスタッフ|埼玉県さいたま市大宮区・大宮駅から徒歩5分・院長もスタッフも女性の妊活鍼灸院
埼玉県・大宮院

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✍ この記事を書いた人
前田 徹弥
前田 徹弥(まえだ てつや)
サクラダライフデザイン株式会社/サクラダ治療室 代表・鍼灸師 | 臨床歴17年

鍼灸の道に入り、10年の下積みを経て独立。妊活・不妊鍼灸を専門に学び、臨床歴は17年。実は私自身も、妻とともに不妊治療を経験しました。「本当に妊娠できるのか」と、何度も不安になりました。その経験があるから、あなたの不安に寄り添えると思っています。一人で抱え込まず、二人三脚で。あなたに合った方法を一緒に見つけ、ゴールまで伴走します。

東京・北区の東十条院と、埼玉・さいたま市の大宮院でお待ちしています。

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