採卵後の過ごし方|体の変化とOHSSの注意点、回復のポイント

採卵、本当にお疲れさまでした。麻酔や針の負担で、体は思っている以上にダメージを受けています。お腹の張りや鈍い痛み、「これって大丈夫なのかな」という不安…。まずは、無理をしないことがいちばんです。

採卵後の数日を、どう過ごせばいいか。やっていいこと・避けたいこと、そして必ず知っておいてほしい「注意サイン」を、順番にお話しします。

先に、結論から。
・採卵後は卵巣が腫れやすく、数日は無理をしないのが基本
・強いお腹の張り・急な体重増加・尿量の減少は「OHSS」のサインかも→すぐ受診
・水分とたんぱく質をしっかり。激しい運動・飲酒は控える。主治医の指示が最優先

大前提:主治医の指示が、いちばん大切

採卵後の過ごし方や注意点は、体の状態や治療内容によって変わります。ここに書くのは一般的な目安で、あなたの主治医の指示が最優先です。もらった説明や注意事項があれば、それを最優先にしてください。

採卵後、体はどうなっている?

採卵では、卵巣にある卵胞から卵子を取り出します。そのため採卵後は、卵巣が一時的に腫れやすく、お腹の張りや鈍い痛みが出ることがあります。多くは数日で落ち着きますが、無理をすると回復が遅れることも。この数日は、体をいたわる時間と考えてください。

いちばん大事|OHSS(卵巣過剰刺激症候群)のサイン

採卵後に、いちばん気をつけたいのがOHSS(卵巣過剰刺激症候群)です。卵巣が大きく腫れて、お腹や胸に水がたまることがあります。次のようなサインがあれば、判定を待たず、すぐにクリニックへ連絡してください。

  • お腹が強く張る、急に苦しくなる
  • 急な体重増加(1日で1〜2kg以上)
  • 尿の量が明らかに減った
  • 強い腹痛・吐き気・息苦しさ

これは、自己判断してはいけないサインです。早めの対応が大切なので、少しでもおかしいと感じたら、必ず主治医に連絡してください。

OHSSのサイン早見表|様子を見ていいもの・すぐ連絡するもの

採卵後にいちばん気をつけたいのがOHSSです。「これは大丈夫なのか、連絡すべきなのか」で迷わないよう、線引きを一覧にしておきます。迷ったら連絡するが正解で、判断はクリニックの役割です。

体の状態目安どうする
下腹部が少し張る、鈍い痛み採卵後によくある範囲様子を見つつ、水分をしっかり
少量の出血がある採卵時の穿刺によることも量が増えなければ様子を見る
お腹の張りが日ごとに強くなる注意が要るクリニックへ連絡
体重が急に増えた(数日で2〜3kg)お腹に水がたまっているサインクリニックへ連絡
尿の量が減った、トイレが遠い同上クリニックへ連絡
息が苦しい、横になるとつらい急ぐサインすぐ連絡・受診
強い吐き気で水も飲めない急ぐサインすぐ連絡・受診

覚えておいてほしい基準は3つだけです。「日ごとに悪くなっているか」「体重が急に増えたか」「尿が減ったか」。このどれかに当てはまったら、遠慮せず連絡してください。夜間や休診日の連絡先も、採卵前に確認しておくと安心です。

【日別】採卵のあと、体はどう戻っていく?

「いつまでこの張りが続くのか」が見えないと不安が続きます。だいたいの流れを並べます。個人差が大きく、採卵数や体質でも変わる目安です。

時期体の様子過ごし方
採卵当日麻酔の影響、下腹部の違和感横になって休む。運転は避ける
1〜2日目張りや鈍痛がいちばん出やすい頃水分をしっかり。無理をしない
3〜5日目落ち着いてくる方が多いふだんの生活へ戻していく
1週間ほど卵巣が元の大きさに戻っていく激しい運動はまだ控えめに
次の生理まで採卵から2週間前後で来ることが多い来なければクリニックへ相談

張りが長引く、日ごとに強くなる。この場合は上の早見表に戻ってください。「もう数日たったから大丈夫」と自己判断しないことが大切です。

やっていいこと・避けたいこと

採卵後の数日の過ごし方を、一覧にしました。あくまで一般的な目安で、最終的には主治医の指示に従ってください。

やっていいこと避けたいこと
水分をきちんとる激しい運動・重いものを持つ
たんぱく質を意識してとる飲酒・喫煙
ゆったり過ごす・早めに休む長時間の外出・無理な予定
シャワーで清潔に長湯・サウナ(のぼせる高温)
気になることは主治医に相談性交渉(主治医の許可が出るまで)

今日からできる、回復を助ける過ごし方

採卵後の体をいたわるために、できることはシンプルです。

① 水分を、きちんとる

採卵後は、こまめな水分補給が大切とされています。OHSSの予防という意味でも、意識して水分をとりましょう。一気に飲むより、こまめにが基本です。

② たんぱく質を、意識してとる

たんぱく質は、体の回復を支える材料です。卵・魚・肉・大豆などを、毎食すこしずつ。食欲がないときは、スープや温かい汁物からでも。

  • 卵・魚・肉・大豆を、毎食すこし
  • 食欲がないときは、温かい汁物から

たんぱく質についてはこちらの記事もどうぞ。

③ とにかく、無理をしない

この数日は「がんばらない」が正解です。予定を詰めず、早めに休んで、体を回復に専念させてあげてください。冷えも回復の妨げになるので、体を冷やさないように(冷え対策)。お腹の張りが強いときは、温めるより先に主治医へ相談を。

サクラダ治療室での施術

採卵後によくある症状と、その受け止め方

採卵後、体にいろいろな変化が出て、不安になりますよね。多くは自然に落ち着くものですが、目安を知っておくと安心です。

  • お腹の張り・鈍い痛み:卵巣が腫れているためで、数日で落ち着くことが多い
  • 少量の出血:採卵の針の跡から少し出ることがある。量が多いときは受診を
  • 眠気・だるさ:ホルモンの変化や、体の疲れから出やすい
  • 胸の張り:黄体ホルモンのお薬の影響でも起こる

OHSSのサイン(強い張り・急な体重増加・尿量の減少)は別です。「いつもと違う」「明らかにつらい」と感じたら、我慢せず主治医に連絡してください。

OHSSになりやすいのは、どんなとき?

OHSSは、誰にでも必ず起こるものではありません。ただ、次のような方は出やすいと言われています。当てはまる場合は、主治医の説明をよく聞いて、注意サインに気をつけてください。

  • 年齢が若い方
  • 卵がたくさん採れた方
  • 多嚢胞性卵巣(PCOS)の方
  • 以前、OHSSになったことがある方

心配なときは、遠慮せず主治医に「自分はOHSSになりやすいですか?」と聞いてみてください。事前に知っておくだけで、落ち着いて対応できます。

次の移植周期に向けて

採卵後の体が落ち着いたら、次は移植に向けた体づくりです。睡眠・冷え・栄養を整えて、着床を待つ体のコンディションを上げていきましょう。焦らず、3ヶ月くらいの単位で見ていくのが現実的です。眠りの質は睡眠の記事、着床に関わる黄体の働きは黄体機能不全の記事も参考に。

採卵後、次の生理はいつ来る?

「採卵のあと、生理はいつ来るの?」も、よくある疑問です。採卵後は、ホルモンの影響で、いつもより少し早め、または遅めに生理が来ることがあります。周期がいつもと少し違っても、多くは自然なことなので、心配しすぎなくて大丈夫です。

量や日数がいつもと大きく違う、なかなか生理が来ない、強い痛みがある、というときは、主治医に相談してください。次の周期の計画にも関わる、大切な情報です。

サクラダ治療室でできること

サクラダ治療室では、採卵後の回復や、次の移植周期に向けた体づくりを、鍼灸で整えるお手伝いをしています。冷えや自律神経、睡眠といった土台の部分です。クリニックの治療と併用しながら通われる方が多くいます。

サクラダ治療室の受付・待合スペース

よくある質問

Q. 採卵後、いつから動いていいですか?

A. 当日はできるだけ安静に。翌日以降、体調が落ち着いていれば、ふだんの生活に戻していくのが一般的です。ただ、激しい運動は数日控えましょう。お腹の張りが続くときは主治医に相談を。

Q. お腹が張っているのですが、大丈夫?

A. 採卵後は多少の張りが出ることもありますが、強い張り・急な体重増加・尿量の減少があればOHSSのサインかもしれません。自己判断せず、すぐにクリニックへ連絡してください。

Q. お酒やサウナは?

A. 飲酒や、のぼせるほどのサウナ・長湯は控えましょう。体に負担をかけない過ごし方を心がけてください。

Q. 採卵後、仕事はいつから行けますか?

A. 翌日から通常どおり働く方が多いです。ただ、張りが強い日は無理をしないでください。長時間の立ち仕事や力仕事がある場合は、可能なら翌日まで調整できると安心です。

Q. 水分はどのくらい飲めばいいですか?

A. のどが渇く前にこまめに、が基本です。冷たいものを一気に飲むより、常温か温かいものを少しずつ。量の目安はクリニックから指示が出ることもあるので、そちらを優先してください。

Q. 採卵後に生理のような出血がありました。

A. 採卵は針で卵胞から卵子を取り出すので、少量の出血が起こることはあります。量が増える、止まらない、強い痛みをともなうときはクリニックへ連絡を。

Q. 次の移植はいつからできますか?

A. 採卵と同じ周期に移植する場合と、いったん体を休めて別の周期に移植する場合があります。体の状態と方針によって変わるので、主治医と決めてください。

Q. 採卵数が少なかったのですが、大丈夫でしょうか?

A. 数だけで先が決まるものではありません。落ち込む気持ちは自然ですが、数の意味や次の方針は主治医と話すのがいちばん確実です。数値の解釈をこちらから断定はしません。

Q. 鍼灸は採卵後いつから受けられますか?

A. 張りや痛みが強い時期は、体を休めるのが優先です。落ち着いてきてからのほうが、体もラクに受けられます。当院では強い刺激を避けて、巡りと自律神経を整える方向で組み立てます。通院先の方針があればそちらを優先します。

まとめ

  • 採卵後は卵巣が腫れやすい。数日は無理をしないのが基本
  • OHSSのサイン(強い張り・急な体重増加・尿量減少)は、すぐ受診
  • 水分とたんぱく質をしっかり。激しい運動・飲酒は控える
  • 体が落ち着いたら、次の移植に向けて睡眠・冷え・栄養を整える
  • 迷ったら、いつでも主治医の指示を最優先に

読んでもまだ不安が残るときは

ここまで読んでも、不安が消えないことはあると思います。妊活の悩みは、正しい情報を知れば片づくものばかりではないからです。

サクラダ治療室は、婦人科で進めている治療を軸に置いたまま、それを受けとめる体づくりのお手伝いをしています。主治医の治療を止めるような提案はしませんし、無理におすすめすることもありません。まだ迷っている段階でも、話を聞くだけでかまいません。

私たちも、通う側にいました

代表の前田は、妻とともに不妊治療を経験しています。タイミング法から人工授精へ進み、検査で自分の側にも要因があるとわかったときの戸惑いも、判定を待つあいだのそわそわも、通った側として知っています。だから、前を歩いて引っぱるのではなく、となりで一緒に進みたいと思っています。

サクラダ治療室は、東京都北区の東十条院(JR東十条駅 徒歩4分)と、埼玉県さいたま市の大宮院(大宮駅 徒歩5分)。どちらの院も院長は女性で、妊活・不妊の鍼灸を受けていただけます。通いやすいほうをお選びください。婦人科の治療と併用しながら通われる方がほとんどです。

ご予約・ご相談はこちらのご予約ページから。予約の前に聞いてみたいことがあれば、LINEからでもかまいません。ご登録いただいた方には、体質改善の3ステップ動画をお送りしています。

✍ この記事を書いた人
前田 徹弥
前田 徹弥(まえだ てつや)
サクラダライフデザイン株式会社/サクラダ治療室 代表・鍼灸師 | 臨床歴17年

鍼灸の道に入り、10年の下積みを経て独立。妊活・不妊鍼灸を専門に学び、臨床歴は17年。実は私自身も、妻とともに不妊治療を経験しました。「本当に妊娠できるのか」と、何度も不安になりました。その経験があるから、あなたの不安に寄り添えると思っています。一人で抱え込まず、二人三脚で。あなたに合った方法を一緒に見つけ、ゴールまで伴走します。

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