妊活と甘いもの|血糖の乱れと、やめずに整える食べ方

妊活中に甘いものはよくないと聞いて、我慢している。でもやめられない日もあって、食べるたびに落ち込む。糖質を抜いたほうがいいのか、どこまで気をつければいいのかが分からない。

先に結論を書きます。甘いものをやめる必要はありません。気をつけたいのは、量そのものより血糖の上がり下がりの激しさのほうです。

血糖の乱れが体に何をするのか、妊活とどう関わるのか、食べ方をどう変えるかを順に整理します。糖尿病や妊娠糖尿病の指摘を受けている方は、主治医の指示を優先してください。

問題は「甘いもの」ではなく「急な上がり下がり」

食べ物が入ると血糖が上がります。上がった血糖を下げるために、インスリンというホルモンが出ます。ここまではふつうの働きです。

問題になるのは、短い時間で急に上がり、その反動で急に下がるときです。

急に上がると、体は慌てて大量のインスリンを出します。出しすぎると、今度は下がりすぎます。下がりすぎた体は、血糖を上げるために別のホルモンを動員します。この上下動そのものが、体にとっての負担になります。

下がりすぎたときに出てくるサイン

  • 食後2〜3時間で、強い眠気が来る
  • 甘いものが無性に欲しくなる
  • イライラする、集中が切れる
  • 手が震える、冷や汗が出る
  • 夜中に目が覚める

心当たりがあるなら、意志が弱いのではなく、血糖が下がって体が上げようとしているだけです。ここを自分の性格の問題だと思っている方が、とても多くいます。

妊活とのつながり

ホルモンを動かす司令に影響する

血糖を整えるために出るホルモンと、排卵に関わるホルモンは、同じ体の中で調整されています。片方が忙しくなると、もう片方の調整にも影響が出ます。

インスリンがたくさん出ている状態が続くと、排卵に関わるホルモンのバランスが乱れやすくなることが知られています。多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の話でインスリンが出てくるのは、この関わりからです。

診断や治療は主治医の領域です。ここでは「関わりがある」という範囲にとどめます。

体の中の炎症につながる

血糖の急な上下がくり返されると、体の中でくすぶるような炎症が起きやすくなります。この状態は、細胞を酸化のダメージから守りにくくします。

眠りを浅くする

寝る前に甘いものを食べると、夜間に血糖が下がるタイミングで目が覚めることがあります。夜中に何度も起きる方は、夕食後の甘いものを疑ってみてください。

眠りとホルモンの関係は、睡眠と妊活にまとめています。

血糖が乱れやすい食べ方、落ち着く食べ方

乱れやすい落ち着く
空腹のまま、甘いものを単体で食べる食後のデザートとして食べる
朝食を抜いて、昼に一気に食べる朝に何か少しでも入れる
菓子パンだけの昼食おにぎりに、汁物とたんぱく質を足す
丼もの、麺類だけで済ませる野菜かたんぱく質を先に一口
甘い飲み物で水分をとる飲み物は水かお茶にして、食べ物は別で
夜遅くに甘いものを食べる食べるなら日中に回す

見ていただくと分かりますが、「やめる」ではなく「順番と組み合わせを変える」だけです。

いちばん効くのは、単体で食べないこと

同じお菓子でも、空腹のまま食べたときと、食事のあとに食べたときでは、血糖の動き方が変わります。先に何か入っていると、上がり方がゆるやかになります。

おやつを食べるなら、ナッツやヨーグルトを一緒に。あるいは食後すぐに。この工夫だけで、午後の眠気が変わる方もいます。

飲み物のほうが見落とされやすい

甘いものというと、お菓子やケーキを思い浮かべます。ただ、血糖への影響でいえば、飲み物のほうが急激です。液体は、噛まずにそのまま入っていくためです。

  • 加糖のコーヒーや紅茶:1本で角砂糖10個ぶんを超えるものがあります
  • スポーツドリンク:体調が悪いとき以外は、毎日飲むものではありません
  • フルーツジュース:果物そのものとは別ものとして考えてください
  • 甘いカフェラテ:カフェインと糖分が同時に入ります

カフェインの量も気になる方は、カフェインの記事もあわせてどうぞ。

糖質を抜いたほうがいいのか

血糖の話をすると、極端に糖質を抜こうとする方がいます。妊活中の糖質制限は、おすすめしません。

理由は3つあります。

  • エネルギーが足りないと、体は生殖を後回しにします:飢餓の状態だと判断されると、優先順位が下がります
  • 極端な制限は続きません:反動で戻ったとき、前より乱れることがあります
  • 主食を抜くと、一緒に摂れていた栄養も減ります:ビタミンB群やマグネシウムなど

減らすのではなく、質と順番を変える。白いパンを全粒のものに、白米を分づき米に。この方向のほうが、体にとっても続けやすさの面でも無理がありません。

食べてしまった日を、責めないでください

我慢していたのに、夜に食べてしまった。そのことで、自分は妊活に向いていないと感じてしまう方がいます。

1日の食べ方で結果が決まることはありません。血糖の話は、何か月も続く傾向の話です。1回のケーキが何かを決めることはありません。

それに、我慢そのものがストレスになると、体は緊張します。緊張が続く状態は、整えたい方向とは逆です。

食べたいときは食べる。ただし、食後に回す、何かと一緒に食べる。それくらいの付き合い方でちょうどいいと思います。

よくある質問

Q. 甘いものをやめたら妊娠しやすくなりますか?

A. そう言い切れるものではありません。血糖の乱れが小さくなることで、眠りやホルモンの調整が整いやすくなる、という土台の話です。

Q. 果物はどうですか?

A. 食物繊維と一緒に入るので、お菓子とは動き方が違います。量を決めて食べれば問題ありません。ジュースは別ものとして考えてください。

Q. 人工甘味料に置き換えるのはどうですか?

A. 血糖に限っていえば、上がりにくくなります。ただし甘いものへの欲求そのものは残りやすいので、置き換えだけに頼らないほうが続きます。

Q. 和菓子と洋菓子ならどちらがいいですか?

A. 脂質の量は和菓子のほうが少なめですが、血糖の上がりやすさでは大きく変わりません。食べる時間と組み合わせのほうが効きます。

Q. 血糖値を測ったほうがいいですか?

A. 指摘を受けている方は主治医の指示に従ってください。そうでなければ、上に挙げた体のサインで十分に判断できます。

Q. 夫も気をつけたほうがいいですか?

A. 血糖の乱れは体の中の炎症につながります。精子が作られる工程にも関わるので、一緒に整えるほうが効率がいいです。

まとめ

  • 問題は甘いものそのものより、血糖の急な上がり下がり
  • 食後の強い眠気、甘いものへの渇望、夜中の覚醒は、下がりすぎのサイン
  • 血糖を整えるホルモンと、排卵に関わるホルモンは同じ体の中で調整されている
  • やめるのではなく、順番と組み合わせを変える。単体で食べないのがいちばん効く
  • お菓子より飲み物のほうが急激に上がる
  • 妊活中の極端な糖質制限はすすめない。質と順番を変える方向で
  • 1日の食べ方で結果は決まらない。我慢のしすぎも体を緊張させる

読んでもまだ不安が残るときは

ここまで読んでも、不安が消えないことはあると思います。妊活の悩みは、正しい情報を知れば片づくものばかりではないからです。

サクラダ治療室は、婦人科で進めている治療を軸に置いたまま、それを受けとめる体づくりのお手伝いをしています。主治医の治療を止めるような提案はしませんし、無理におすすめすることもありません。まだ迷っている段階でも、話を聞くだけでかまいません。

私たちも、通う側にいました

代表の前田は、妻とともに不妊治療を経験しています。タイミング法から人工授精へ進み、検査で自分の側にも要因があるとわかったときの戸惑いも、判定を待つあいだのそわそわも、通った側として知っています。だから、前を歩いて引っぱるのではなく、となりで一緒に進みたいと思っています。

サクラダ治療室は、東京都北区の東十条院(JR東十条駅 徒歩4分)と、埼玉県さいたま市の大宮院(大宮駅 徒歩5分)。どちらの院も院長は女性で、妊活・不妊の鍼灸を受けていただけます。通いやすいほうをお選びください。婦人科の治療と併用しながら通われる方がほとんどです。

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✍ この記事を書いた人
前田 徹弥
前田 徹弥(まえだ てつや)
サクラダライフデザイン株式会社/サクラダ治療室 代表・鍼灸師 | 臨床歴17年

鍼灸の道に入り、10年の下積みを経て独立。妊活・不妊鍼灸を専門に学び、臨床歴は17年。実は私自身も、妻とともに不妊治療を経験しました。「本当に妊娠できるのか」と、何度も不安になりました。その経験があるから、あなたの不安に寄り添えると思っています。一人で抱え込まず、二人三脚で。あなたに合った方法を一緒に見つけ、ゴールまで伴走します。

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