妊活とマグネシウム|足がつる、眠りが浅いと感じたら

妊活でマグネシウムがいいと聞いたけれど、何に効くのか分からない。足がよくつる、まぶたがピクピクする。こむら返りで夜中に起きてしまう。

マグネシウムは、体の中で600種類を超える酵素の働きに関わるミネラルです。エネルギーを作る工程、筋肉をゆるめる働き、神経を落ち着かせる働き。どれもマグネシウムなしでは回りません。

マグネシウムが体の中で何をしているのか、不足のサイン、食事での補い方、サプリで気をつけることを順に整理します。検査値の判断や治療の要否は主治医の領域なので、こちらから断定はしません。

マグネシウムが関わっている3つの場面

エネルギーを作るとき

細胞の中でエネルギーが作られる工程には、マグネシウムが必要です。卵子の質の話で出てくるミトコンドリアも、この工程を担っています。

材料が足りなければ、工場は回りません。卵子の質とミトコンドリアの記事もあわせてどうぞ。

筋肉をゆるめるとき

筋肉は、カルシウムが入ることで縮み、マグネシウムが働くことでゆるみます。マグネシウムが足りないと、ゆるめる側の力が弱くなります。

足がつる、まぶたがピクピクする、肩が張って抜けない。こうしたサインが出やすいのはこのためです。

子宮も筋肉でできています。生理痛が重い方にマグネシウムの話をするのは、この理由からです。

神経を落ち着かせるとき

マグネシウムには、興奮した神経を鎮める働きがあります。不足すると、眠りが浅くなったり、些細なことでイライラしやすくなったりします。

妊活の時期は、それ自体が緊張の続く時間です。消耗しやすいタイミングほど、マグネシウムは減りやすくなります。

不足しているときに出やすいサイン

  • 足がつる、こむら返りで夜中に目が覚める
  • まぶたや口元がピクピクする
  • 肩や首の張りが抜けない
  • 便が固くなりやすい:腸の動きにも関わります
  • 眠りが浅い、途中で目が覚める
  • 生理痛が重い、経血に塊が多い

どれも「よくあること」として流されやすい症状です。いくつも重なっているなら、食事を見直す価値があります。

現代の食事で足りなくなりやすい理由

マグネシウムは、精製されると失われます。玄米を白米にする、全粒粉を白い小麦粉にする。この工程で大きく減ります。

起きていることマグネシウムへの影響
主食が白米・白いパン中心精製の段階で減っている
加工食品や外食が多い含有量が少なく、リンが多い。吸収を妨げます
お酒をよく飲む尿から出ていく量が増えます
コーヒーを何杯も飲む利尿で失われます
ストレスが続いている消耗が増えます
汗をたくさんかく汗から失われます

思い当たるものが多いほど、減りやすい生活だということです。足りないのは意志の問題ではなく、入ってくる量と出ていく量の差です。

食事から入れる

1日あたりの推奨量は、成人女性で280〜290mg(18〜29歳は280mg、30〜64歳は290mg)とされています。食品に直します。

食品目安量マグネシウムの目安
アーモンド20粒 25g約75mg
木綿豆腐半丁 150g約190mg
納豆1パック 45g約45mg
あさり50g約50mg
ほうれん草(ゆで)70g約30mg
玄米ごはん茶碗1杯 150g約70mg
白米ごはん茶碗1杯 150g約10mg
ひじき(乾)5g約32mg

玄米と白米で7倍の差があります。毎食を玄米にする必要はありません。1日1食を分づき米や雑穀米に替えるだけでも、積み上がります。

覚え方は「ごまめのはなし」

マグネシウムを多く含む食品は、昔から伝わる語呂で覚えられます。

  • :ごま
  • :まめ(大豆、豆腐、納豆)
  • :わかめ(海藻)
  • :のり
  • :野菜
  • :納豆
  • :しいたけ(きのこ)

和食の副菜そのものです。特別なものを買い足すより、味噌汁の具を増やすほうが早いことがあります。

サプリを使うときの注意

マグネシウムのサプリには、注意点がひとつあります。摂りすぎると、おなかがゆるくなります。

これは副作用というより、マグネシウムの性質です。腸に水を引き込む働きがあるので、便秘薬に使われる成分でもあります。

  • 量は少なめから始める:便がゆるくなったら、そこが多すぎる目安です。サプリなど通常の食品以外からの耐容上限量は、1日350mgとされています
  • 1回でまとめて飲まない:分けたほうが吸収もよく、おなかへの負担も減ります
  • 腎臓に持病がある方は必ず主治医に確認を:排泄が追いつかないことがあります
  • 下剤や胃薬との重なりに注意:マグネシウムを含む薬があります

飲んでいる薬がある方は、サプリを足す前に一度伝えてください。

皮膚から入れる方法について

マグネシウム入りの入浴剤やオイルが売られています。皮膚からどのくらい入るのかは、はっきりした結論が出ていません。

ただ、湯船に浸かること自体が、妊活の体には役立ちます。マグネシウムの吸収を期待するより、温まって眠りが深くなることのほうを目的にしてください。締め付けない服でゆったり過ごす、というのと同じ考え方です。

カルシウムとのバランス

カルシウムとマグネシウムは、縮める側とゆるめる側の関係です。片方だけを増やすと、バランスが崩れます。

カルシウムのサプリを飲んでいて、足がつりやすい。この組み合わせは珍しくありません。両方を摂るなら、割合を意識してください。

食事から摂っている場合は、そこまで神経質になる必要はありません。サプリで一方だけを大量に入れるときに気をつける話です。

足がつるのは「気のせい」ではありません

こむら返りで夜中に起きる。まぶたが何日もピクピクする。こうした症状は、病院で相談するほどでもないと感じて、そのままにされがちです。

体が出しているサインとしては、分かりやすい部類です。我慢する理由はありません。

妊活中は、自分の体の不調を後回しにしてしまう方が多くいます。検査の数値ばかりを見て、日々の小さな不調は「そんなことを言っている場合ではない」と押し込めてしまう。

でも、その小さな不調こそが、整えられる部分です。数値は主治医の領域ですが、足がつらない体を作るのは、こちら側でできることです。

よくある質問

Q. マグネシウムを摂れば妊娠しやすくなりますか?

A. そう言い切れる根拠はありません。エネルギーを作る工程や、眠り、筋肉のゆるみといった土台に関わる栄養素、という受け取り方をしてください。

Q. にがりを水に入れて飲むのはどうですか?

A. マグネシウムは摂れますが、量の調整が難しく、おなかがゆるくなりやすい方法です。食事から入れるほうが確実です。

Q. 生理痛にも効きますか?

A. 子宮も筋肉なので、関わりはあります。ただし痛みの背景に子宮内膜症などがあることもあるので、重い痛みが続くなら婦人科で確認してください。

Q. 玄米が苦手です。

A. 無理に変える必要はありません。豆腐、納豆、ごま、海藻、ナッツで十分に補えます。

Q. 夫も摂ったほうがいいですか?

A. エネルギーを作る工程は男性も同じです。お酒をよく飲む方は失われやすいので、意識する価値があります。

Q. サプリはいつ飲むのがいいですか?

A. 神経を落ち着かせる働きがあるので、夜に飲む方が多いです。おなかの調子を見ながら、量とタイミングを調整してください。

まとめ

  • マグネシウムはエネルギーを作る工程、筋肉をゆるめる働き、神経を鎮める働きに関わる
  • 足がつる、まぶたがピクピクする、眠りが浅い、便が固いは不足のサイン
  • 精製された主食、外食、飲酒、コーヒー、ストレスで減りやすい
  • 玄米と白米では7倍の差。1日1食を分づき米にするだけでも積み上がる
  • 「ごまめのはなし」で覚える。和食の副菜がそのまま供給源
  • サプリは少なめから。おなかがゆるくなったら多すぎる目安
  • 腎臓に持病がある方、薬を飲んでいる方は主治医に確認する

この記事の数値は、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」によります。2026年9月時点で確認した内容です。基準は数年ごとに改訂されるため、最新の内容は厚生労働省の公表資料をご確認ください。

読んでもまだ不安が残るときは

ここまで読んでも、不安が消えないことはあると思います。妊活の悩みは、正しい情報を知れば片づくものばかりではないからです。

サクラダ治療室は、婦人科で進めている治療を軸に置いたまま、それを受けとめる体づくりのお手伝いをしています。主治医の治療を止めるような提案はしませんし、無理におすすめすることもありません。まだ迷っている段階でも、話を聞くだけでかまいません。

私たちも、通う側にいました

代表の前田は、妻とともに不妊治療を経験しています。タイミング法から人工授精へ進み、検査で自分の側にも要因があるとわかったときの戸惑いも、判定を待つあいだのそわそわも、通った側として知っています。だから、前を歩いて引っぱるのではなく、となりで一緒に進みたいと思っています。

サクラダ治療室は、東京都北区の東十条院(JR東十条駅 徒歩4分)と、埼玉県さいたま市の大宮院(大宮駅 徒歩5分)。どちらの院も院長は女性で、妊活・不妊の鍼灸を受けていただけます。通いやすいほうをお選びください。婦人科の治療と併用しながら通われる方がほとんどです。

ご予約・ご相談はこちらのご予約ページから。予約の前に聞いてみたいことがあれば、LINEからでもかまいません。ご登録いただいた方には、体質改善の3ステップ動画をお送りしています。

✍ この記事を書いた人
前田 徹弥
前田 徹弥(まえだ てつや)
サクラダライフデザイン株式会社/サクラダ治療室 代表・鍼灸師 | 臨床歴17年

鍼灸の道に入り、10年の下積みを経て独立。妊活・不妊鍼灸を専門に学び、臨床歴は17年。実は私自身も、妻とともに不妊治療を経験しました。「本当に妊娠できるのか」と、何度も不安になりました。その経験があるから、あなたの不安に寄り添えると思っています。一人で抱え込まず、二人三脚で。あなたに合った方法を一緒に見つけ、ゴールまで伴走します。

プロフィール詳細はこちら →